ニュース速報

ビジネス

米中古住宅販売、5月は4カ月連続で減少 価格なお高値更新

2021年06月23日(水)01時58分

6月22日、全米リアルター協会(NAR)が発表した5月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比0.9%減の580万戸と、4カ月連続でマイナスとなった。在庫が少ない中で住宅価格が過去最高を更新し、潜在的な購入者が遠のいている。市場予想は572万戸だった。写真は2009年10月、マイアミビーチで(2021年 ロイター/Carlos Barria)

[ワシントン 22日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が22日に発表した5月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比0.9%減の580万戸と、4カ月連続でマイナスとなった。在庫が少ない中で住宅価格が過去最高を更新し、潜在的な購入者が遠のいている。木材価格の高騰で建設業者が供給を増やせない状況にあることから、住宅販売の減少傾向はしばらく続く可能性がある。市場予想は572万戸だった。

ジロウのエコノミスト、マシュー・スピークマン氏は「過去最高の価格上昇と持続的な住宅不足が潜在的な住宅購入の妨げになり始めていることは明白で、販売戸数は昨年末の勢いを取り戻すのに苦労し続けている」と述べた。

中古住宅販売戸数は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準を回復。地域別では北東部と西部、人口の多い南部で減少する一方、中西部で増えた。

前年同月比では44.6%急増。新型コロナ感染第1波の拡大を抑えるために生活に必須でない事業が閉鎖を余儀なくされた昨年5月に売り上げが急減したため、前年比の数字はゆがめられている。

在庫が逼迫する中、入札合戦が激化しており、住宅価格は初めての住宅購入者が手を出しにくい水準に達している。販売価格中央値は前年同月比23.6%上昇の35万0300ドルと、過去最高を更新。伸び率も過去最高だった。

住宅市場の大半を占める一戸建て住宅の販売は1.0%減の508万戸と、昨年6月以来の低水準。集合住宅の販売は横ばいだが、都市部に戻る人が増えていることから持ち直しの動きが続く。

住宅在庫は前年同月比20.6%減の123万戸だった。5月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は2.5カ月。前年同月は4.6カ月だった。健全な需給バランスには6─7カ月が適切とされる。

5月に住宅が市場で出ていた期間は17日間と、前年同月の26日間から減った。販売された住宅の89%が、市場に出ていた期間が1カ月を下回った。初回住宅購入者の割合は31%。前年同月は34%だった。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

原油価格下落、世界的な株安が圧迫

ビジネス

EXCLUSIVE-日産、ネクスペリア問題で国内工

ワールド

ブラジル大統領「気候変動対策は寄付より投資」、基金

ビジネス

マネタリーベース10月は7.8%減、18年ぶり減少
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 9
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中