ニュース速報

ビジネス

米4月小売売上高は横ばい、今後上向きも 「コト消費」へシフト

2021年05月15日(土)01時47分

米商務省が14日に発表した4月の小売売上高は前月から横ばいだった。写真は5月3日、ニューヨークで撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid)

[ワシントン 14日 ロイター] - 米商務省が14日に発表した4月の小売売上高(季節調整済み)は前月から横ばいにとどまった。新型コロナウイルス対策の一つである現金支給の効果が薄れ、市場予想の1%増を下回った。ただ、貯蓄は過去最高水準にあり、経済活動が再開する中、小売売上高は今後数カ月間で加速する可能性が高い。

前年同月比では51.2%急増。3月の数字は前月比で当初発表の9.7%増から10.7%増へ上方改定された。連邦政府による1兆9000億ドル規模の景気刺激策の一環として、多くの家庭が3月に追加で1400ドルの現金を受け取った。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で、家計の超過貯蓄は最低でも2兆3000億ドルに達しており、今年の個人支出を押し上げる要因となるとみられる。

また、国内人口の3分の1以上がワクチン接種を受ける中、消費の対象がモノから外食などのサービスに移行する兆しもうかがえる。

FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「3月の売り上げが大幅に伸びており、第2・四半期の経済成長へ弾みとなるだろう」述べた。

内訳では、外食が3%増加。前月の13.5%増からは鈍化したものの、前年比では116.8%の伸びを記録した。自動車・部品は2.9%増。家電も1.2%伸びた。一方、衣料品は5.1%減少。スポーツ用品・娯楽は3.6%減った。オンライン小売りは0.6%落ち込んだ。

ING国際担当チーフエコノミスト、ジェームズ・ナイトレー氏は、商品の所有に価値を見いだす「モノ消費」から、所有では得られない体験や経験を重視した「コト消費」に切り替わることで、消費の裾野が広がっていくと予想した。

自動車・ガソリン・建設資材・外食を除くコア小売売上高は4月に1.5%減少した。3月は当初発表の6.9%増から7.6%増へ上方改定された。コア売上高は国内総生産(GDP)の個人消費の構成要素と密接に連動する。

米経済の3分の2以上を占める個人消費は第1・四半期に年率で10.7%増加し、国内総生産(GDP)を7.02%ポイント押し上げる方向に働いた。第1・四半期のGDPは年率6.4%増。第1・四半期に見られた個人消費の伸びは大半が3月だった。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ政権、H─1Bビザの審査強化指示 「検閲」

ビジネス

ロシアサービスPMI、11月は半年ぶり高い伸び 新

ビジネス

新発30年債利回りが3.445%に上昇、過去最高水

ワールド

トランプ氏、エヌビディアCEOを称賛 輸出規制巡る
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    トランプ王国テネシーに異変!? 下院補選で共和党が…
  • 10
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中