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マツダ、通期純損益500億円の赤字に上方修正 費用削減順調
マツダは4日、2021年3月期通期の業績見通しについて、純損益を900億円の赤字から500億円の赤字に上方修正した。写真は同社のロゴ。2018年5月11日に撮影。(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 4日 ロイター] - マツダは4日、2021年3月期の通期業績予想を上方修正したと発表した。純損益は500億円の赤字となる見通しで、従来予想の900億円の赤字から引き上げた。販売促進費の抑制や販売台数に占める利益率の高い車種の増加、固定費の削減が順調に進捗していることなどを織り込んだ。
IBESのコンセンサス予想では、アナリスト13人の通期純損益予想の平均値は790億円の赤字となっている。
通期の売上高を前期比16.9%減の2兆8500億円から同15.5%減の2兆9000億円に、営業損益を400億円の赤字から収支トントンに、それぞれ上方修正した。
丸本明社長は同日の電話会見で、通期業績予想を上方修正した背景について、北米・豪州・東南アジア諸国連合(ASEAN)での販売回復、固定費抑制などが奏功したと説明。「特損を含めると、実質的にはまだ赤字なので、決して満足はしていないが、来期に向けて1つの流れができてきた」と述べ、期末に営業黒字を実現すべく粘り強く取り組むと語った。
<半導体不足による生産影響、2月は約7000台>
半導体不足による自動車生産への影響について、丸本社長は、きょう時点での2月の生産は、海外工場を含めて「約7000台の影響が出ることを前提に生産計画を見直す」と述べた。ただ、取引先と日々、協議・調整を行っており、在庫も活用して「販売と収益への影響を最小化する」とした。通期予想の上方修正には半導体不足による販売・収益への影響を反映済みという。
ロイターによる複数の関係者への取材によると、マツダは1月の時点では2─3月にかけて約3万4000台の減産を検討していたが、丸本社長は、3月の生産への影響を含め、現時点で「極めて流動的」としつつも、「日々改善方向に進んでいる」と説明し、「3万台を超える生産調整はしない」と述べた。
同時に発表した2020年4─12月期連結決算では、純損益は782億円の赤字(前年同期は323億円の黒字)だった。新型コロナウイルス感染拡大による販売減少や操業停止が響いた。世界販売は前年同期比16%減の93万台だった。中国を除く主要市場すべてで前年同期を下回った。
*決算会見の内容などを追加しました。
(白木真紀 編集:山川薫)