ニュース速報

ビジネス

マツダ、通期純損益500億円の赤字に上方修正 費用削減順調

2021年02月04日(木)18時15分

マツダは4日、2021年3月期通期の業績見通しについて、純損益を900億円の赤字から500億円の赤字に上方修正した。写真は同社のロゴ。2018年5月11日に撮影。(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 4日 ロイター] - マツダは4日、2021年3月期の通期業績予想を上方修正したと発表した。純損益は500億円の赤字となる見通しで、従来予想の900億円の赤字から引き上げた。販売促進費の抑制や販売台数に占める利益率の高い車種の増加、固定費の削減が順調に進捗していることなどを織り込んだ。

IBESのコンセンサス予想では、アナリスト13人の通期純損益予想の平均値は790億円の赤字となっている。

通期の売上高を前期比16.9%減の2兆8500億円から同15.5%減の2兆9000億円に、営業損益を400億円の赤字から収支トントンに、それぞれ上方修正した。

丸本明社長は同日の電話会見で、通期業績予想を上方修正した背景について、北米・豪州・東南アジア諸国連合(ASEAN)での販売回復、固定費抑制などが奏功したと説明。「特損を含めると、実質的にはまだ赤字なので、決して満足はしていないが、来期に向けて1つの流れができてきた」と述べ、期末に営業黒字を実現すべく粘り強く取り組むと語った。

<半導体不足による生産影響、2月は約7000台>

半導体不足による自動車生産への影響について、丸本社長は、きょう時点での2月の生産は、海外工場を含めて「約7000台の影響が出ることを前提に生産計画を見直す」と述べた。ただ、取引先と日々、協議・調整を行っており、在庫も活用して「販売と収益への影響を最小化する」とした。通期予想の上方修正には半導体不足による販売・収益への影響を反映済みという。

ロイターによる複数の関係者への取材によると、マツダは1月の時点では2─3月にかけて約3万4000台の減産を検討していたが、丸本社長は、3月の生産への影響を含め、現時点で「極めて流動的」としつつも、「日々改善方向に進んでいる」と説明し、「3万台を超える生産調整はしない」と述べた。

同時に発表した2020年4─12月期連結決算では、純損益は782億円の赤字(前年同期は323億円の黒字)だった。新型コロナウイルス感染拡大による販売減少や操業停止が響いた。世界販売は前年同期比16%減の93万台だった。中国を除く主要市場すべてで前年同期を下回った。

*決算会見の内容などを追加しました。

(白木真紀 編集:山川薫)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ南部オデーサの教育施設にミサイル、4人死

ワールド

ウクライナに北朝鮮製ミサイル着弾、国連監視団が破片

ワールド

米国務長官とサウジ皇太子、地域の緊急緩和の必要性巡

ビジネス

地政学的緊張、ユーロ圏のインフレにリスクもたらす=
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    ナワリヌイ暗殺は「プーチンの命令ではなかった」米…

  • 10

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中