ニュース速報

ビジネス

LGディスプレー、第4四半期は利益が3年ぶり高水準 予想上回る

2021年01月27日(水)11時31分

韓国のLGディスプレーが発表した2020年第4・四半期決算は利益が約3年ぶり高水準を記録、2四半期連続の黒字となった。写真は、同社製品が使用されたLG V 30 S ThinQ。2018年2月26日に撮影。(2021年 ロイター/Sergio Perez)

[ソウル 27日 ロイター] - 韓国のLGディスプレーが発表した2020年第4・四半期決算は利益が約3年ぶり高水準を記録、2四半期連続の黒字転換となった。アップルの新型iPhoneの出荷増などに支援された。

営業損益は6850億ウォン(6億2200万ドル)の黒字。前年同期は4220億ウォンの赤字だった。

黒字額は2017年第2・四半期以来の高水準となり、リフィニティブ・スマートエスティメートがまとめたアナリスト12人の予想(2860億ウォン)を大幅に上回った。

売上高は16%増の7兆5000億ウォンだった。

同社は発表文書で「第4・四半期も世界で在宅勤務が続き、テレビやIT(情報技術)製品の需要が強かった」と説明。有機EL(OLED)パネルの出荷と価格が、テレビとスマートフォン向けの双方で上向いたと付け加えた。

中国の広州にある同社のOLED工場で生産がフル稼働したことも業績に寄与したという。

アナリストは、アップルの新モデル「iPhone12」向けのOLEDパネルの出荷増や、テレビに使用される液晶表示(LCD)パネルの価格上昇がLGディスプレーの利益を押し上げたと指摘した。

また、堅調なiPhone販売によるLGディスプレーの業績押し上げ効果は第1・四半期決算も続くと予想している。

ユアンタ証券(韓国)のアナリストは「上半期は通常、季節的に軟調な時期だが、今年は状況が異なる。iPhone12の販売がパネル出荷を前年比1.5─2倍押し上げる見通しで、黒字転換が続くだろう」と述べた。第1・四半期のLCDパネル価格も高水準にとどまるとの見方を示した。

一方、日本電気硝子の日本国内の生産施設で昨年12月に発生した停電により、LGディスプレーの第1・四半期の出荷が影響を受ける可能性があるとの指摘もアナリストの間で出ている。LGディスプレーは2020年上半期、約80%のガラスを日本電気硝子から調達したという。

ただアナリストらは、大型ガラスの供給減少でパネル価格が第1・四半期に一段と上昇し、出荷の落ち込みを相殺する可能性もあると指摘した。

0116GMT(日本時間午前10時16分)時点で、LGディスプレーの株価は0.6%安。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:AI導入でも揺らがぬ仕事を、学位より配管

ワールド

アングル:シンガポールの中国人富裕層に変化、「見せ

ワールド

チョルノービリ原発の外部シェルター、ドローン攻撃で

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中