ニュース速報

ビジネス

FB、豪でニュース共有禁止へ 使用料義務付け法成立なら

2020年09月01日(火)23時10分

米フェイスブックは、オーストラリアのメディア企業への記事使用料支払いを巡る豪政府の規制案が法制化された場合、豪国内のニュース発行者や個人がフェイスブックやインスタグラムで国内外のニュースを共有できないようにすると発表した。写真は同社のロゴマーク。2020年3月25日に撮影。(2020年 ロイター/Dado Ruvic)

[シドニー 1日 ロイター] - 米フェイスブックは1日、オーストラリアのメディア企業への記事使用料支払いを巡る豪政府の規制案が法制化された場合、豪国内のニュース発行者や個人がフェイスブックやインスタグラムで国内外のニュースを共有できないようにすると発表した。

また、規制上のリスクを回避するために必要と判断すれば、世界中のどこでもコンテンツをブロックしたり、ユーザーのアクセスを制限したりすることが可能になるよう利用規約を更新。広報担当者は「今回の世界的な規約更新により、オーストラリアを含めサービス変更に柔軟性が増し、規制や法的措置に対応した運営とユーザーサポートの継続が可能になる」と述べた。

豪政府は7月、フェイスブックやアルファベット傘下のグーグルに対し、インターネット上で表示する記事について、ロイヤルティー方式で国内メディアへの料金支払いを義務付ける方針を明らかにし、年内に法制化する考えを示した。

フェイスブックの豪部門マネジング・ディレクター、ウィル・イーストン氏はブログへの投稿で「当社にとってこれは最初の選択肢ではなく、最後の選択肢だ。だが、豪ニュース・メディア業界の長期的な活力を損なう理不尽な結果から身を守るためには、これが唯一の選択肢だ」と述べた。

また、政府の案はインターネットのダイナミクスを誤解しており、報道機関に害をもたらすことになると指摘した。

フライデンバーグ豪財務相は法案について、国益にかなう内容であり、オリジナルのコンテンツに対価が支払われる、より持続可能なメディア産業の創出につながると反論。「いかなる強要や高圧的な脅しにも影響されない」と述べた。

無料放送局のロビー団体「フリーTVオーストラリア」のブリジット・フェア最高経営責任者(CEO)はフェイスブックの方針について、「いじめ」のようなものであり、同社は「ニュースコンテンツへの公正な対価支払いを回避するためなら何でもする」と批判した。

また、豪政府に法案を撤回させるため「豪ユーザーが人質にされている」と非難。その上で、法案はフェイスブック、グーグル、豪ニュースメディア企業の間の力関係を均等にするための唯一の合理的な方法だと指摘した。

フェイスブックのイーストン氏は、法案の及ぶ範囲は「前例がない」ほど広いとし、同社にできるのは、ニュースを完全に排除するか、もしくはメディア側の求めに応じて明確な上限のない料金を支払うかのいずれかだと指摘。「残念ながら、そのような運営が可能な企業はない」とした。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米中貿易摩擦再燃で新たな下振れリスク、利下げ急務に

ワールド

トランプ氏、習氏と会談の用意 米財務長官 中国「混

ビジネス

シカゴ連銀発表の米小売売上高、9月は+0.5% 前

ビジネス

米BofAの7─9月期は増益、投資銀行業務好調で予
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 2
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 3
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に共通する特徴、絶対にしない「15の法則」とは?
  • 4
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇…
  • 5
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 6
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 7
    「中国に待ち伏せされた!」レアアース規制にトラン…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 10
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中