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欧州委、7500億ユーロのコロナ復興基金案 3分の2を補助金で
欧州委員会は27日、新型コロナウイルスの流行で打撃を受けた域内経済への支援策として7500億ユーロの復興基金案を公表した。市場から調達する資金を融資や補助金として提供する。ブリュッセルの欧州委本部で昨年4月撮影(2020年 ロイター/Yves Herman)
[ブリュッセル 27日 ロイター] - 欧州連合(EU)の欧州委員会は27日、新型コロナウイルスの流行で打撃を受けた域内経済への支援策として7500億ユーロの復興基金案を公表した。市場から調達する資金を融資や補助金として提供する。
7500億ユーロのうち、3分の2に当たる5000億ユーロを補助金として供与。残り2500億ユーロは融資する。
国別では、新型コロナ流行の影響が深刻なイタリアとスペインが最も支援を受ける予定で、融資と補助金を合わせた両国への分配額は計3130億ユーロと、全体の4割を超える見込みだ。
欧州委のフォンデアライエン委員長は「みんながばらばらになり、国や地域、人々を置き去りにし、持てる国と持たざる国の集まりを善しとするのか、それとも一致団結して歩むのか、道は二つに一つだ」と述べた。
為替市場でユーロ
5000億ユーロの補助金は独仏の提案に沿ったものだが、一部の国からは融資の形のみで資金提供すべきとの声も出ている。復興案にはEU全加盟国の同意が必要になる。
フランスのマクロン大統領は「迅速に動き、全加盟国が野心的な合意を果たすべき」と主張。一方、財政規律を重視する「倹約4カ国」の一角であるオランダの外交官は「各国の立場がかけ離れており、交渉には時間がかかる」との見方を示した。
EUのミシェル大統領は6月19日の会議で提案を協議するとした上で、夏期休暇前の合意を目指すと明らかにした。
基金の調達資金はいずれ返済が必要で、将来的にEU予算への拠出拡大やEUでの新税導入が必要になるとみられており、欧州委はプラスチックへの課税や排出量取引制度からの収入の一部、デジタルサービス課税、法人税の一部などを新たな財源として提案した。
2021―27年の7年間のEU長期予算(多年度財政枠組み、MFF)については1兆1000億ユーロ規模を見込む。
*内容を追加しました。