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クレディ・スイス、利益率目標引き下げ 投資銀行部門が低迷
スイスの金融大手クレディ・スイスは11日、今年の有形株主資本利益率(ROTE)が8%を超えるとの見通しを示し、従来目標の10─11%から引き下げた。来年の目標も下方修正した。チューリヒで7月撮影(2019年 ロイター/ARND WIEGMANN)
[チューリヒ 11日 ロイター] - スイスの金融大手クレディ・スイス
同行は声明を発表し「市場が建設的で、収入の伸びを下支えするなら、来年末のROTEは11%近辺になるだろう」と表明。「逆に、来年も厳しい市場環境が続いた場合、ROTE10%近辺という目標を達成するために、追加で最大50ベーシスポイント(bp)分のコスト削減が必要」とした。
同行は先に来年のROTEの目標を11─12%に設定していた。
ティージャン・ティアム最高経営責任者(CEO)は投資家向け会合で「投資家に多大な希薄化をもたらしたことは分かっている。バランスシートの改善は不可避で、これにより成長機会がもたらされるが、苦痛を伴った」と述べた。
同行の投資銀行・資本市場部門は、合併・買収(M&A)活動の低迷で収入が減少している。先月、同部門のトップ人事を刷新しており、ハイテク・医療など成長産業でM&Aを助言するバンカーを増やす方針だ。同部門は今年赤字を計上する見込みという。
同行は2020年を見据え、純利益の少なくとも50%を株主に還元する方針を表明。配当を少なくとも年5%引き上げるほか、10億─15億スイスフラン(10億─15億ドル)の自社株買いを実施する。