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米国株式市場は続落、債券利回り上昇やハイテク決算巡り警戒感

2018年04月21日(土)06時50分

[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米国株式市場は、主要3指数が続落して取引を終えた。米国債利回りの急上昇に懸念が広がったほか、ハイテク株が今後の決算発表や「iPhone(アイフォーン)」需要動向を巡り神経質となる中で下げを主導した。

S&P情報技術指数<.SPLRCT>が1.5%下落し、S&P総合500種<.SPX>最大の重しとなった。

リバティービュー・キャピタル・マネジメント(ニュージャージー州)のリック・メクラー社長は「金利や株式相場に影響が及ぶ可能性に懸念が根強く、今決算期の勢いもやや不足している」「決算が十分良好でないというのでなく、企業見通しはしばしば相場が上昇し続けるほど堅調でないということだ」と話した。

この日は下落したものの、S&Pは週間で0.5%高と2週連続で上昇した。

10年債利回りが2014年1月以来の水準に上昇したことも、市場の警戒感を招いた。2営業日連続で債券が売られ、長短債利回り差が拡大した。

投資家は債券利回りが高いと、消費財や不動産など高配当などが見込まれる銘柄より、債券を好むとされる。ただ高金利は金融機関の収益を押し上げる可能性がある。金融株が0.05%上昇し、S&P11部門中最も高いパフォーマンスを示した。

S&P主要消費財<.SPLRCS>の下落率は1.7%、米清涼飲料大手ペプシコが下げを主導した。

米日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は2.9%安。小売業者による在庫圧縮やコスト増が、利益率を圧迫したことが嫌気され、前日も4.2%値下がりしていた。

米たばこ大手フィリップ・モリス・インターナショナルも続落、四半期決算で出荷動向が軟調となり材料視された。

米アップルは4.1%安。主要指数最大の重しとなった。モルガン・スタンレーが、アイフォーン需要が弱含むと予想したことが意識された。

アルファベットやフェイスブック、インテル、マイクロソフトなど主要ハイテク各社は来週、決算発表を予定している。

ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.05対1の比率で上回った。ナスダックでも1.68対1で値下がり銘柄数が多かった。

S&P500構成銘柄を見ると、12銘柄が52週高値を更新し、22銘柄が新安値を付けた。ナスダック総合構成銘柄では54銘柄が新高値を、51銘柄が新安値をそれぞれ更新した。

米取引所の合算出来高は64億5000万株。直近20営業日の平均は69億2000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 24462.94 -201.95 -0.82 24657.39 24678.07 24375.04 <.DJI>

前営業日終値 24664.89

ナスダック総合 7146.13 -91.93 -1.27 7220.64 7222.99 7123.49 <.IXIC>

前営業日終値 7238.06

S&P総合500種 2670.14 -22.99 -0.85 2692.56 2693.94 2660.61 <.SPX>

前営業日終値 2693.13

ダウ輸送株20種 10578.90 -92.91 -0.87 <.DJT>

ダウ公共株15種 691.14 -5.96 -0.85 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1270.83 -15.05 -1.17 <.SOX>

VIX指数 16.88 +0.92 +5.76 <.VIX>

S&P一般消費財 819.52 -8.47 -1.02 <.SPLRCD>

S&P素材 369.26 -2.25 -0.61 <.SPLRCM>

S&P工業 635.52 -2.74 -0.43 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 517.88 -8.87 -1.68 <.SPLRCS>

S&P金融 462.86 +0.22 +0.05 <.SPSY>

S&P不動産 186.55 -1.66 -0.88 <.SPLRCREC>

S&Pエネルギー 541.48 -2.78 -0.51 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 949.72 -5.29 -0.55 <.SPXHC>

S&P電気通信サービス 150.05 -0.99 -0.66 <.SPLRCL>

S&P情報技術 1154.71 -17.71 -1.51 <.SPLRCT>

S&P公益事業 255.02 -2.29 -0.89 <.SPLRCU>

NYSE出来高 9.21億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 22100 - 60 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物6月限 円建て 22075 - 85 大阪比 <0#NIY:>

(ロイターデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)

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