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独ZEW景気期待指数、4月は約5年ぶり低水準 通商巡る懸念が重し
[ベルリン 17日 ロイター] - ドイツの欧州経済センター(ZEW)が発表した4月の景気期待指数はマイナス8.2と、2012年11月以来の低水準となった。
ロイターがまとめた市場予想はマイナス1.0だった。前月はプラス5.1。3カ月連続の低下となり、4月の低下幅は16年7月以来の大きさとなった
弱い経済指標のほか、米中の貿易摩擦でドイツ経済が打撃を受けるのではないかとの懸念が圧迫要因となった。
現況指数は87.9と、前月の90.7から低下。市場予想は88.0だった。
ZEWのワムバッハ所長は指数低下の要因として、米国と欧州の通商摩擦やシリア情勢が中東での紛争に波及する可能性を挙げ、「ドイツで第1・四半期に生産、輸出、小売が大きく落ち込んだことも重しとなっている」と述べた。
アナリストの間では、今年の初めの2カ月間の経済指標が軟調だったことに加え、ZEW指数が低下していることは、独経済成長率が鈍化する可能性があることを示しているとの見方もある。VP銀行のトマス・ギッツエル氏は「向こう数四半期にわたり成長の勢いが鈍化する可能性がある」と指摘。ただ「大幅な景気の低迷の恐れはない」と述べた。
欧州中央銀行(ECB)は年内に債券買い入れ策を終了させ、19年に利上げに着手するとみられているが、ドイツなどの経済指標が軟調となっていることで、計画変更を迫られるのではないかとの見方も出ている。
INGのカーステン・ブレゼスキ氏は、今回の統計で指数が大きく低下したことは、投資家の間で軟調な独経済指標が意識されていることを示していると指摘。ただ「過度に懸念する必要はない」とした。
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