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街角景気9月は9カ月ぶり高水準、人手不足でも人材集まらず

2017年10月10日(火)16時02分

 10月10日、内閣府が発表した9月の景気ウオッチャー調査では、景気の現状判断DIが51.3で、前月比1.6ポイント上昇し、3カ月ぶりの上昇となった。写真は2014年5月、銀座で撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 10日 ロイター] - 内閣府が10日に発表した9月の景気ウオッチャー調査では、景気の現状判断DIが51.3と前月比1.6ポイント上昇し、3カ月ぶりの上昇となった。3カ月ぶりに50以上の水準となった。家計動向関連と企業動向関連が上昇、雇用関連が低下した。2─3カ月先をみる先行き判断DIは51.0で、前月比0.1ポイント低下。2カ月ぶりに低下した。

内閣府は、景気ウオッチャー調査の判断の表現を「着実に持ち直している」に上方修正した。

足元の判断については「気温の低下が早く、季節商材の動きが活発になっており、薄手の羽織物が好調」(中国・スーパー)、「レストラン全体の来客煤が前年同月と比較して上昇している。客単価は低いものの、食に対する消費意欲は高まっているように見受けられる」(東北・高級レストラン)など、家計関連では前向きな動きがみられる。

また企業関連では「モノのインターネット、セキュリティ、電子商取引関連の新サービスが取引先に浸透しつつあり、サービス紹介の依頼や提案機械が増えている」(中国・通信業)といった声もある。

ただ、各企業とも不安は隠せない。「北朝鮮問題や国内政治の負担低下など、外的なマイナス要素が地方経済にも悪影響を与えている」(北海道・家具製造業)、「衆議院選挙が終わるまでは客の動きや売り上げが鈍る」(東海・百貨店、先行きについて)などの影響がみられる。

雇用については、各地で人手不足は深刻化している。「募集を行っても思うように人が集まらず、結果として募集が続いている」(九州・職業安定所)といった声が全国で聞かれる。

中には「求人広告で昨年よりもパートの割合が大きく増えている。正社員で働ける人の就職数はあらかた固定されており、パートなどで浮動人員が雇用されていると考えられる」(北陸・新聞社・求人広告)など、フルタイム労働者の確保が難しくなっている事情がうかがえる。また「若い人の退職が目立つ。待遇より自分に合った環境での仕事を選ぶ傾向がある」(九州・新聞社の求人広告)との傾向もあり、「求職者と求人のミスマッチが多い状況が続いている」(東北・職業安定所)との声は多い。

*内容を更新しました。

(中川泉 編集:田中志保)

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