ニュース速報

KBN3MK0LK

2025年11月14日(金)16時07分

  11月14日、米国と韓国は、2国間の貿易協定に関する詳細を発表した。写真は8月の米韓首脳会談、ホワイトハウスで撮影(2025年 ロイター/Brian Snyder)

Ju-min Park Kanishka Singh

[ソウル/ワシントン 14日 ロイター] - 米国と韓国は14日、2国間の貿易協定に関する詳細を発表した。韓国は米国の造船業に1500億ドル、工業部門にさらに2000億ドルを投資する計画だ。

韓国の李在明大統領は14日、トランプ米大統領との先月の首脳会談を受けて、貿易と安全保障問題を巡る米韓合意に関する共同ファクトシートを最終決定したと明らかにした。

韓国が原子力潜水艦を建造するほか、造船、人工知能(AI)、原子力産業分野で米国と新たなパートナーシップを結ぶ予定だと述べた。

李大統領は先月、慶州でトランプ氏と会談し、米国が韓国製品に課した輸入関税を25%から15%に引き下げることで合意した。

米ホワイトハウスが公表したファクトシートによると、米国は韓国による原潜の建造を承認し、燃料の調達で韓国と緊密に協力するとした。

<韓国ウォンの安定>

韓国はこれまでに、3500億ドルの投資のうち2000億ドルは現金で、通貨ウォンの安定を維持するため年200億ドルを上限に分割拠出すると説明している。

ファクトシートによると、両国は韓国の投資が「市場の不安定化を引き起こすべきではない」との「相互理解」を確認した。不安定化の兆候が生じた場合、韓国は「資金の額と時期の調整」を求める可能性があり、米国はその要請を誠意をもって検討するとした。

米国は自動車を含む韓国製品への関税を25%から15%に引き下げる。大統領顧問によれば、サムスン電子やSKハイニックスなどの半導体にも、台湾に対する関税に劣らない有利な条件が適用される見通しだ。

李氏は14日、韓国の投資は商業的に実行可能な案件に限定されると述べた。大統領の国家安全保障担当補佐官はテレビ会見で、原潜は「韓国で建造される」という前提で協議したと説明した。トランプ氏は以前、フィラデルフィアにある韓国所有の造船所で建造されると述べていた。

米国は韓国がウラン濃縮と使用済み核燃料の再処理を行う方法を見いだすため、協力することを約束した。米国は「(韓国の)民生用ウラン濃縮と平和的利用のための使用済み燃料再処理につながるプロセスを支持する」としている。

アナリストの間では、韓国が欧州や日本より有利な条件を得たかどうかを判断するのは時期尚早との見方が出ている。

韓国国家安保戦略研究院の安全保障アナリスト、ドゥ・ジンホ氏は、原子力潜水艦の獲得は「ゲームチェンジャーではないが、北朝鮮に対する抑止力を強化する上で他の兵器システムよりも間違いなく有効だ」と述べた。

元海軍将校で慶南大学のキム・ドンユプ氏は、原子力エネルギーと安全保障に関する合意は韓国の防衛費負担が増えることを意味するが、李氏には選択の余地はなかったと指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、今後5年間で財政政策を強化=新華社

ワールド

インド・カシミール地方の警察署で爆発、9人死亡・2

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 7
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 8
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中