ニュース速報

アルゼンチン大統領選有力候補、緊縮に代わる政策模索=側近

2019年08月22日(木)10時37分

[ブエノスアイレス 21日 ロイター] - 10月のアルゼンチン大統領選で勝利が有力視されている野党候補フェルナンデス元首相の経済政策アドバイザーらは21日、ラクンサ新財務相と会談し、現政権の緊縮策に代わる政策を模索する考えを示した。

今月11日に行われた大統領選予備選挙では、市場経済や財政規律を重視する現職のマクリ氏が、中道左派のフェルナンデス元首相に15ポイントもの大差で敗れた。フェルナンデス氏が10月の本選で勝利すれば、市場経済に向けた改革が進まなくなり、保護主義的な経済政策に逆戻りするとの懸念が高まり、ペソ売りにつながった。

フェルナンデス氏はこれまでに、マクリ政権が国際通貨基金(IMF)と昨年合意した570億ドルのスタンドバイ融資枠や、その条件として受け入れた緊縮策を批判し、IMFと再交渉する必要があるとの考えを示している。[nL4N25F054]

財務省報道官は会談後ロイターに対し、「経済の安定を確保することで合意した」と述べた。

フェルナンデス氏が所属する野党連合「すべての戦線」は会談後に出した声明で、既存の義務や契約をすべて履行すると言明する一方、「物価安定や成長・雇用の回復を優先する代替経済モデル」を望むとの立場を示した。

また、外貨準備の減少や高インフレ、燃料価格、一部食品を対象とした消費減税などへの懸念をラクンサ財務相に伝えたことも明らかにした。

マクリ大統領は先週、大統領選予備選での敗北を受け、所得税や一部食品を対象とした消費税の減税措置などを発表した。

ラクンサ財務相は21日、会談に先立ち、通貨ペソの大幅下落を容認しないと強調し、大統領選予備選を受けた政情不安から急落しているペソ相場を下支えするため、外貨準備を活用すると表明した。

中銀は予備選後、ペソ防衛に向け7億0900万ドルの外貨準備を放出。市場関係者によると、この日も3度の入札で9400万ドルのドル売りを行った。

ラクンサ氏はラジオ番組のインタビューで「ペソの不合理な下落は容認しない。そのために外貨準備がある」と説明した。

ただ、21日の市場取引終了後、格付け会社フィッチは、最近のペソ安は「デフォルト(債務不履行)の現実的なリスク」を示唆しており、「経済成長の急速な悪化の可能性」が高まるとの見方を示した。

※内容を追加しました。

ロイター
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