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低金利時に予防的刺激策を、景気悪化まで待てず=NY連銀総裁
[ニューヨーク 18日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は18日、金利がゼロ近辺にある場合でも低インフレに対応するため早期に刺激策を打つ必要があるとし、景気が悪化するまで待つべきではないという認識を示した。
米連邦準備理事会(FRB)は月末に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開くが、早期で積極的な利下げを強く支持した格好だ。
中銀会合で講演したウィリアムズ総裁は、自身のリサーチから得た教訓として、金利とインフレが低水準にある場合、経済的な問題が現実化するのを待つ余裕はないと指摘。
特に、中立金利が0.5%前後にある場合、それが当てはまるとした。インフレ調整後の中立金利は現在の政策金利である2.25─2.50%近辺にある。
ウィリアムズ氏は「使用可能な刺激策が大いにそろう場合に限り、経済危機の初期兆候が出た場合に素早く利下げに動く価値がある」と指摘した。
ニューヨーク連銀は、総裁の講演について20年にわたる調査に基づいた学術的な内容だとし、7月30─31日のFOMCで取る可能性のある「政策行動に関するものではない」と説明した。
それでも、ウィリアムズ総裁の発言を受け、米国の2年債利回り
FRB当局者はここ数週間、企業信頼感の低下につながっている米中貿易戦争や、世界的な製造業の成長鈍化、米国の低インフレなど、米経済成長を阻害する可能性のある一連の懸念に言及してきた。
FRBが物価の目安としているコア個人消費支出(PCE)価格指数は5月に前年比1.6%上昇と、FRBのインフレ目標の2%を下回っている。
ウィリアムズ総裁はとりわけインフレへの懸念を表明。「人々はこのような状況が続くと考え始める可能性があり、フィードバックループが形成されて、インフレがさらに長期にわたって押し下げられる可能性がある」とし、「インフレが低下すると景気悪化時に利用可能な利下げ余地が小さくなり、目標達成がより困難になる」と指摘。
逆境の景気情勢に直面する中で素早く利下げに動き、金利をより長期間にわたり低水準に維持すれば「経済には予防接種の効果をもたらし、超低インフレという潜行性の病から身を守ることができる」と述べた。