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世界の旅行産業、19年は4%拡大へ 底堅さ維持=WTTC
[ベルリン 5日 ロイター] - 世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は5日、中国や欧州など重要なエリアの経済成長が鈍化するものの、2019年の旅行産業は4%拡大する可能性があると発表した。ただ英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)が合意のないまま実行されれば、旅行業界で70万人の雇用が失われるとした。
WTTCのグロリア・ゲバラ理事長兼最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、18年の旅行・観光セクターの規模が3.9%増の8兆8000億ドルになり、世界の国内総生産(GDP)の10.5%を占めたと述べた。伸び率は世界のGDP成長率の3.2%を上回った。
185カ国からのデータに基づくWTTCの19年見通しは4%増。旅行・観光市場で米国に次ぐ世界第2位の中国のほか、アジア各国からの需要が引き続き見込まれるという。
ゲバラ氏は「あらゆる危機が数値に影響を及ぼすが、旅行・観光セクターは非常に底堅い」とし、旅行・観光セクターの伸び率は伝統的に世界のGDP成長率を上回ると語った。
ゲバラ氏によると、ブレグジットに関する不透明感やトランプ米大統領による「非友好的なメッセージ」を受け、英国と米国の旅行・観光セクターの伸び率がGDP成長率を下回ったという。
英国の18年の旅行・観光セクターの伸び率は1%増。一方、GDP成長率は1.4%だった。同セクターはGDP全体の約11%(3110億ドル)を占めた。
また合意なきブレグジットとなった場合には、英国内で30万人、欧州の他の地域で40万人の雇用が喪失する恐れがあると予想。回復は「いかに早く状況を修復できるか」にかかっているとした。
米国の18年の旅行・観光セクターの伸び率は2.2%増。GDP成長率は2.9%だった。
トルコ、中国、インド、タイ、フランスの18年の旅行・観光セクターの伸び率は過去最高だった。トルコは16年の大幅減からの反動が続き、15%増となった。