ニュース速報

氷床融解進むグリーンランド、砂輸出で経済活性化も=研究論文

2019年02月12日(火)12時39分

[オスロ 11日 ロイター] - 地球温暖化で広大な氷床が融けて大量の土砂が海中に流出しているグリーンランドについて、建設業界で広く使用されている砂や砂利を採掘し輸出することで経済活性化につなげられる可能性があるとの研究論文が、科学誌ネイチャーに掲載された。実現すれば、気候変動の産物としては異例の「恩恵」になる。

グリーンランドはデンマーク領で、自治権が拡大されてきたが、経済はデンマーク政府の補助金に大きく依存している。

デンマークと米国の科学者チームによる論文は、グリーンランドは「砂を採掘することにより、気候変動に伴う難題から恩恵を受けられる可能性がある」と指摘。一方で、沿岸部の採掘については特に漁業へのリスクを評価する必要があるとした。

グリーンランドの氷床は地球の気温上昇でとけ続けており、すべてとけると世界全体で海面が約7メートル上昇するとされる。また、氷床の融解により、フィヨルドへの土砂の流出も続いている。

2017年における世界の砂需要は約95億5000万トンで、市場価値は995億ドル。2100年には、需要増に加えて供給不足が予想されることから、価値は約4810億ドル近くに達するとみられている。

グリーンランドは欧米の市場から遠距離に位置することが難点との指摘がある一方、同論文の筆頭著者である米コロラド大学極地・高山研究所のメッテ・ベンディクセン氏は、砂はすでに、バンクーバーからロサンゼルスへ、あるいはオーストラリアからドバイへなど長距離を輸送されていると説明した。

研究では、将来的に、グリーンランドの氷床融解を含む現象に伴う海面上昇でリスクにさらされる砂浜や海岸線の補強に砂や砂利が使用される可能性も指摘された。 

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

MAGAZINE

特集:パックンのお笑い国際情勢入門

2019-8・20号(8/ 6発売)

世界のニュースと首脳たちをインテリ芸人が辛辣風刺──日本人が知らなかった政治の見方お届けします

※次号は8/20(火)発売となります。

人気ランキング

  • 1

    寄生虫に乗っ取られた「ゾンビ・カタツムリ」がSNSで話題に

  • 2

    世界が発想に驚いた日本の「ロボット尻尾」、使い道は?

  • 3

    ハワイで旅行者がヒトの脳に寄生する寄生虫にあいついで感染

  • 4

    世界で最も有名なオオカミ「OR-7」を知っているか?

  • 5

    異例の猛暑でドイツの過激な「ヌーディズム」が全開

  • 6

    日本の重要性を見失った韓国

  • 7

    犯人の容姿への嘲笑に警告 9万件のコメントを集めた…

  • 8

    若年層の頭蓋骨にツノ状の隆起ができていた......そ…

  • 9

    9.11を経験したミレニアル世代の僕が原爆投下を正当…

  • 10

    未成年性的虐待の被告の大富豪が拘置所で怪死、米メ…

  • 1

    寄生虫に乗っ取られた「ゾンビ・カタツムリ」がSNSで話題に

  • 2

    ハワイで旅行者がヒトの脳に寄生する寄生虫にあいついで感染

  • 3

    世界が発想に驚いた日本の「ロボット尻尾」、使い道は?

  • 4

    日本の重要性を見失った韓国

  • 5

    異例の猛暑でドイツの過激な「ヌーディズム」が全開

  • 6

    若年層の頭蓋骨にツノ状の隆起ができていた......そ…

  • 7

    犯人の容姿への嘲笑に警告 9万件のコメントを集めた…

  • 8

    韓国で日本ボイコットに反旗? 日本文化めぐり分断…

  • 9

    世界が知る「香港」は終わった

  • 10

    未成年性的虐待の被告の大富豪が拘置所で怪死、米メ…

  • 1

    水深450メートル、メカジキに群がるサメ、そのサメを食べる大魚

  • 2

    寄生虫に乗っ取られた「ゾンビ・カタツムリ」がSNSで話題に

  • 3

    日本の重要性を見失った韓国

  • 4

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 5

    巨大なホホジロザメが一匹残らず逃げる相手は

  • 6

    異例の猛暑でドイツの過激な「ヌーディズム」が全開

  • 7

    子宮内共食いなど「サメの共食い」恐怖の実態

  • 8

    韓国で日本ボイコットに反旗? 日本文化めぐり分断…

  • 9

    ハワイで旅行者がヒトの脳に寄生する寄生虫にあいつ…

  • 10

    「韓国の反論は誤解だらけ」

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!