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ECB、政策方針の変更に消極的か ドラギ総裁退任にらみ=関係筋
[ロンドン/フランクフルト 5日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の一部当局者は金利政策に関する運営方針の変更に消極的だという。ドラギ総裁の退任を今年10月末に控え、次期総裁の手を縛る恐れがあるためという。4人の関係筋がロイターに明らかにした。
ECBは銀行向け長期融資などで信頼感を下支えするなどの措置をまず選択し、見通しがさらに悪化した場合に限り利上げ予想時期を正式に後ずれさせる可能性がある。
ある関係筋は「次期総裁が誰になるか決まっていないことが躊躇(ちゅうちょ)する理由だ。こうした事柄は通常問題にならないが、ドラギ総裁の場合、強力な個性を持っていることから、任期後のことまでコミットするのは大変難しい」と語った。
後任の指名は早くて5月下旬に行われる欧州議会選挙の後となる。候補としてはビルロワドガロー仏中銀総裁やバイトマン独連銀総裁の名前が挙がるものの、両総裁とも政策に関する考え方が非常に異なる。
別の関係者は「ECBは実利的であり、必要に応じて決定を下す。後任が決まるまでは10月31日以降に関するシグナルの表明には細心の注意を払わねばならないということだ」と述べた。
関係筋らによると、仮に見通しが維持されれば、3月に政策方針が変更される可能性は一層低いとみられる。
ECBはコメントを差し控えた。
ロイターが1月24日の理事会前に行った調査によると、ECBは中銀預金金利の引き上げを第4・四半期まで待つ見通しで、12月調査時の予想から後ずれした。また金融市場では2020年半ばまで利上げを織り込んでいない。
*内容を追加しました。