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物価19年度下ぶれ 海外リスク「強まっている」=日銀展望リポート
[東京 23日 ロイター] - 日銀は23日、「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)を公表した。政策委員の物価見通し(消費増税・教育無償化を除くケース)中央値は、10月に続き20年度までの3カ年いずれも下方修正、特に19年度は原油価格下落を背景に1.4%から0.9%に大幅修正した。成長率は自然災害の影響を踏まえて18年度が大幅下方修正された。海外経済動向について新たに下振れリスクの強まりを加え、企業・家計マインドへの影響を注視していくとした。
物価についての記述では、景気拡大や労働需給引き締まりに比べると「弱めの動きが続いている」との前回からの見方を踏襲、そのうえで「物価の上昇を遅らせてきた諸要因の解消に時間を要している中で、中長期的な予想物価上昇率も横ばい圏内で推移している」とした。
先行きの展望では、需給ギャップがプラスを続けることなどから、2%に向けて徐々に上昇率が高まるとの見方は維持した。
10月に予定されている消費税率引き上げによる物価への影響について、教育無償化政策について新たに試算を公表。19、20年度のコアCPIはそれぞれ0.3%、0.4%押し下げられるとした。
保護主義などの海外経済を巡るリスクについては、10月時点よりも踏み込んでいる。20年度までの中心的な見通しとしては、「米中貿易摩擦など最近の様々な動きには注意を要するが、先進国・新興国ともに内需が堅調に推移するもとで、総じてみれば着実な成長を続ける」と、比較的楽観的な見方を示している。しかし、リスク要因として「下振れリスクがこのところ強まっている」と記述、「企業や家計のマインドに与える影響も注意していく必要がある」と新たな記述が加わった。
(中川泉)