ニュース速報

米国株は薄商い下で上昇、年間の下落率は08年以来の大きさ

2019年01月01日(火)07時31分

[ニューヨーク 31日 ロイター] - 米国株式市場は閑散商いの中、上昇して取引を終了した。もっとも年間の下落率は2008年以来の大きさとなった。

2018年の米国株は1月下旬に調整局面入り。年を通じては米中貿易摩擦や米利上げ、企業業績への懸念などが重しとなった。

グローバルト・インベストメンツ(アトランタ)のシニアポートフォリオマネジャー、トーマス・マーティン氏は「投資家は悦に入っていた」と指摘。通商懸念や利上げによって低ボラティリティー環境が変化したとき、「投資家がポジションを変更し、急落が始まった」との見方を示した。

米国株は12月の下げが顕著だった。S&P総合500種<.SPX>は世界恐慌以降で最悪の12月となり、ナスダックは<.IXIC>は高値から20%下落し弱気相場入り。主要3株価指数はいずれも月初から約9%下落した。

マーティン氏は2019年が始まるにつれ、「投資家は企業業績や貿易交渉の行方、米連邦準備理事会(FRB)の言動などに注目するだろう」とみる。

31日は米中貿易摩擦の解消に向けた新たな手掛かりが投資家の楽観姿勢につながった。

トランプ米大統領は29日、中国の習近平国家主席と電話で協議したことを明らかにし、貿易問題を巡る米中の取引が順調に進みつつあるとの見方を示した。

一方、祝日を控え商いは閑散だった。

セクターではヘルスケア株<.SPXHC>や情報技術株<.SPLRCT>株の上昇が目立った。

この日はS&P500の11業種全てがプラス圏で引けたが、年間ではヘルスケア株と公益株<.SPLRCU>のみが上昇した。

エネルギー株<.SPNY>や素材株<.SPLRCM>、通信サービス株<.SPLRCL>、工業株<.SPLRCI>、金融株<.SPSY>は年初からの下落率が14.7─20.5%となった。

年間で20.5%安となったエネルギー株は10月上旬から38%下落した原油価格が重しとなった。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.42対1の比率で上回った。ナスダックでも1.81対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は約74億6000万株。直近20営業日の平均は92億2000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 23327.46 +265.06 +1.15 23153.94 23333.18 23118.30 <.DJI>

前営業日終値 23062.40

ナスダック総合 6635.28 +50.76 +0.77 6649.52 6659.96 6570.06 <.IXIC>

前営業日終値 6584.52

S&P総合500種 2506.85 +21.11 +0.85 2498.94 2509.24 2482.82 <.SPX>

前営業日終値 2485.74

ダウ輸送株20種 9170.40 +61.27 +0.67 <.DJT>

ダウ公共株15種 712.93 +0.99 +0.14 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1155.17 +7.80 +0.68 <.SOX>

VIX指数 25.42 -2.92 -10.30 <.VIX>

NYSE出来高 10.37億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物3月限 ドル建て 19860 + 20 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物3月限 円建て 19815 - 25 大阪比 <0#NIY:>

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日銀の情報発信、利上げ判断につながる変化 円安を警

ワールド

米感謝祭休暇の航空需要が縮小、政府閉鎖が影響

ワールド

NZ中銀が0.25%利下げ、景気認識改善 緩和終了

ワールド

アングル:ケネディ暗殺文書「押収」の舞台裏、国家情
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中