コラム

菅首相に新内閣は必要ない

2010年06月04日(金)14時58分

日本の新しい顔 菅は小沢と距離を置くグループの支持を集めて民主党の新代表に選ばれた(6月4日)
Issei Kato-Reuters-Reuters
 

 菅直人・副総理兼財務相が6月4日、新しい民主党の代表に選ばれ、新首相に指名された。日本の各メディアは、新しい内閣と党役員の顔ぶれを予測している。仙谷由人国家戦略担当相は小沢一郎幹事長の後任候補の筆頭に、野田佳彦財務副大臣は菅の後任の財務相候補の筆頭にあげられている。

 しかし私は、菅が鳩山内閣のメンバーをほとんど変えないのではないかと見ている。民主党はとりわけ、閣僚の任用には継続性が重要だと強調してきた(これには首相職も含まれるが、そこでは失敗した)。

 この原則以上に、菅にとって新しい内閣が本当に必要なのか、という疑問を感じずにはいられない。民主党内の各グループや政治的立場を代表する有力者をうまく内閣に配置したことは、鳩山の1つの成果だ。閣僚以下の副大臣や大臣政務官レベルで多少の人事はあるかもしれないが、民主党はあくまで大臣と副大臣、政務官の協力を重視している。

 郵政・金融担当相の亀井静香をはじめとする鳩山内閣の閣僚が、鳩山の首相生命を短くしたことは間違いないが、鳩山は内閣が原因で失敗したのではない。鳩山が内閣改造をしていたとしても、それで状況が好転したとは思えない。そして閣僚を劇的に入れ替えることで、菅政権がうまく行くともまた思えない。

[日本時間2010年06月04日12時00分更新]


プロフィール

トバイアス・ハリス

日本政治・東アジア研究者。06年〜07年まで民主党の浅尾慶一郎参院議員の私設秘書を務め、現在マサチューセッツ工科大学博士課程。日本政治や日米関係を中心に、ブログObserving Japanを執筆。ウォールストリート・ジャーナル紙(アジア版)やファー・イースタン・エコノミック・レビュー誌にも寄稿する気鋭の日本政治ウォッチャー。

ニュース速報

ワールド

米州司法長官ら、コロナ薬「レムデシビル」供給増と価

ワールド

仏、年内に新型コロナ感染第2波の可能性高い 科学委

ビジネス

欧州企業の利益見通し悪化、サンタンデールの大幅損失

ワールド

世界貿易、今年は13%減 新型コロナ危機で=WTO

MAGAZINE

特集:人生を変えた55冊

2020-8・11号(8/ 4発売)

コロナ自粛の夏休みは読書で自分を高めるチャンス──世界と日本の著名人が教える「価値観を揺さぶられた本」

人気ランキング

  • 1

    コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず

  • 2

    K-POPも韓流ドラマも実は世界で売れていない? 韓国のコンテンツビジネス、ダントツの稼ぎ頭は......

  • 3

    奇妙な北朝鮮「戦勝記念日」写真 金正恩の名を刻み込んだ自動拳銃「白頭山」

  • 4

    再開は早過ぎた?クルーズ船でクラスター発生、寄港…

  • 5

    米国の新型コロナ感染、異常に拡大し新段階に=トラ…

  • 6

    中国に「無関心で甘い」でいられる時代は終わった

  • 7

    韓国・植物園の「客寄せ」だった土下座像が象徴する…

  • 8

    『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』は何の本…

  • 9

    「文化の盗用」は何が問題で、誰なら許されるのか?…

  • 10

    韓国、コロナショック下でなぜかレギンスが大ヒット …

  • 1

    コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず

  • 2

    中国から米国に「謎の種」が送りつけられている......当局は「植えないで」と呼びかけ

  • 3

    アメリカが遂に日本政界の媚中派を名指し批判──二階氏や今井氏など

  • 4

    韓国、コロナショック下でなぜかレギンスが大ヒット …

  • 5

    【独占】押谷仁教授が語る、PCR検査の有用性とリスク…

  • 6

    「韓国の対応は極めて遺憾、このような状況では政策対…

  • 7

    抗議デモに参加した17歳息子の足元に新品の靴 略奪…

  • 8

    三峡ダムより九州の水害を報じる、中国報道は「ポジ…

  • 9

    南シナ海でやりたい放題の中国、ベトナムいじめが止…

  • 10

    東京都、30日コロナ感染367人で過去最多 小池知事、酒…

  • 1

    中国・三峡ダムに「ブラックスワン」が迫る──決壊はあり得るのか

  • 2

    コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず

  • 3

    「金正恩敗訴」で韓国の損害賠償攻勢が始まる?

  • 4

    中国・長江流域、豪雨で氾濫警報 三峡ダムは警戒水位3…

  • 5

    科学者数百人「新型コロナは空気感染も」 WHOに対策求…

  • 6

    中国から米国に「謎の種」が送りつけられている.....…

  • 7

    韓国、コロナショック下でなぜかレギンスが大ヒット …

  • 8

    宇宙観測史上、最も近くで撮影された「驚異の」太陽…

  • 9

    アメリカが遂に日本政界の媚中派を名指し批判──二階…

  • 10

    戦略性を失った習近平「四面楚歌」外交の末路

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!