コラム

ドレスコードでティモシェンコ封じ?

2010年10月07日(木)17時24分

 ウクライナの前首相でファッションリーダーのユリア・ティモシェンコは、ライバルのビクトル・ヤヌコビッチ大統領が決めた新しいドレスコードにおかんむりだ。


「エリザベス女王やリビアのカダフィ大佐にも、服装のせいで閣議に参加できないというつもりか」と、野党指導者のティモシェンコは水曜の記者会見で毒づいた。

 ウクライナ政府が閣僚や議員を対象に今週から導入したドレスコードによると、男性はグレーか紺のスーツを着用し、2日続けて同じスーツを着てはならない。女性も基本はビジネススーツにヒールの低いパンプスで、過剰なメークやアクセサリーは控えなければならない。

 ティモシェンコは、三つ編みにした金髪を頭に巻くウクライナの伝統的な髪型とスタイリッシュな服装で、魅力あふれるファッションリーダーとしての地位を確立したが、一方では、経済危機で国が疲弊しきっているときに派手な服装は不謹慎と苦々しく思う国民もいる。

 ドレスコードの導入は、遅過ぎたぐらいだという専門家もいる。ウクライナの政府機関ではこれまで、男性は何日も同じ服を着たままで平気な反面、女性は胸が大きく開いたタイトなドレスを着てくることも珍しくなかった。

 ウクライナ議会の写真を見ると、確かになかなか面白そうなところではある。

──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年10月06日(水)11時48分更新]

Reprinted with permission from FP Passport, 7/10/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

プロフィール

ForeignPolicy.com

国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、ロシアに来週の和平協議開催を提案=ゼレ

ワールド

ウクライナ、米国からのドローン投資と大量購入協議=

ワールド

シリア南部で衝突激化、暫定政府は停戦実施に苦慮

ワールド

参院選きょう投開票、与党の過半数維持なるか 関税交
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人口学者...経済への影響は「制裁よりも深刻」
  • 2
    「マシンに甘えた筋肉は使えない」...背中の筋肉細胞の遺伝子に火を点ける「プルアップ」とは何か?
  • 3
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 4
    約558億円で「過去の自分」を取り戻す...テイラー・…
  • 5
    父の急死後、「日本最年少」の上場企業社長に...サン…
  • 6
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
  • 7
    日本では「戦争が終わって80年」...来日して35年目の…
  • 8
    【クイズ】世界で1番売れている「日本の漫画」はどれ…
  • 9
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウ…
  • 10
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 4
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 7
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウ…
  • 10
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story