イスラエル、アルジャジーラ記者を空爆で殺害 ハマスのリーダーと主張...国連「根拠がない」

イスラエル軍は、パレスチナ自治区ガザの最大都市ガザ市への10日の空爆で、中東の衛星テレビ局アルジャジーラのジャーナリストを装ったイスラム組織ハマスの下部組織リーダーを殺害したと発表した。写真はアルジャジーラのジャーナリストらが殺害されたとされる現場。ガザ市で11日撮影(2025年 ロイター/Ebrahim Hajjaj)
イスラエル軍は、パレスチナ自治区ガザの最大都市ガザ市への10日の空爆で、中東の衛星テレビ局アルジャジーラのジャーナリストを装ったイスラム組織ハマスの下部組織リーダーを殺害したと発表した。
ガザ当局者とアルジャジーラによると、ガザ市東部のシファ病院近くのテントへの空爆で、アナス・アル・シャリフ氏らアルジャジーラのジャーナリスト4人とアシスタント1人が死亡した。同病院の関係者によると、この空爆で他の2人も死亡したという。
イスラエル軍は声明で、アル・シャリフ氏について、ハマス下部組織のトップで、「イスラエルの民間人とイスラエル国防軍(IDF)部隊に対するロケット弾攻撃の実行に関与していた」と述べ、ガザ地区で発見された情報や文書を証拠として挙げた。
パレスチナのジャーナリスト団体とアルジャジーラは、この殺害を非難した。
報道の自由を求める団体と国連の専門家は以前、アル・シャリフ氏がガザからの報道によって命の危険にさらされていると警告していた。アイリーン・カーン国連特別報告者は先月、アル・シャリフ氏に対するイスラエルの主張は根拠がないと述べた。
アル・シャリフ氏は死亡する数分前、50万人以上のフォロワーを持つXのアカウントに、イスラエルがガザ市を2時間以上にわたって激しく空爆していると投稿した。
アルジャジーラは、アル・シャリフ氏を「ガザで最も勇敢なジャーナリストの一人」と称賛し、今回の攻撃は「ガザ占領に備え、人々の声を封じ込めようとする必死の試みだ」と述べた。
ハマスは、この殺害はイスラエルの攻撃開始を示唆している可能性があると指摘した。


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