最新記事
分断

「リベラルな男性」たちに一体何が?...なぜ彼らは民主党を離れるのか、背景に「男らしさ」攻撃が?

What Really Happened to Liberal Men? Why Are They Leaving the Democratic Party? | Opinion

2025年8月5日(火)18時08分
ゾルタン・イシュトヴァン

こうした変化のもう一つの要因が、いわゆる「ロー・フェア(lawfare)」の台頭だ。これは法制度や司法を政治的・イデオロギー的な手段として用いることを指し、特に男性に対して不公平に機能しているように見える例が増えている。

たとえば、父親にとって不利に働く家庭裁判所の制度や、事実確認の前に「有罪ありき」で報道される性的暴行の訴えなどが挙げられる。多くのリベラル系男性は、正当な手続きが「社会的な制裁」に置き換えられていると感じ、不安を募らせている。

#MeToo運動は、加害者に責任を取らせるという意味で、極めて重要かつ遅すぎた是正だった。その必要性を軽視すべきではない。ただ現在、多くの男性が「振り子が振れすぎた」と感じているのも事実だ。

たとえば、不器用なデートや不用意な冗談ひとつでキャリアや社会的信用を失うかもしれないという恐れがある。冤罪への懸念も根強い。

こうした恐怖は現実のものであり、仕事でも私生活でも、男性が女性とどう関わるべきかに大きな影響を与えている。そして皮肉なことに、この空気は女性にも悪影響を及ぼしている。男性たちが関与を避け、採用、指導、自由な会話をためらうようになっているからだ。

さらに「キャンセルカルチャー」が、この不安に拍車をかけている。たった一つのミスや、過去の誤解されうる発言が原因で、公然と非難されたり職を失ったりする時代。多くの男性は、職場や恋愛、社交の場、そして議論そのものから距離を取るようになっている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

午前の日経平均は続伸、米株安と円高一服が綱引き 決

ワールド

戦後80年メッセージで戦争起こさない仕組み考えたい

ワールド

赤沢氏、日本にもプラスなら投資と説明 トランプ氏「

ワールド

米厚生省、mRNAワクチン開発を段階的に終了へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 8
    【徹底解説】エプスタイン事件とは何なのか?...トラ…
  • 9
    永久欠番「51」ユニフォーム姿のファンたちが...「野…
  • 10
    かえって体調・メンタルが悪くなる人も...「休職の前…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 8
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 9
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 10
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 5
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 6
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 7
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 8
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中