米厚生省、mRNAワクチン開発を段階的に終了へ

米厚生省は5日、傘下の生物医学先端研究開発局(BARDA)がメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの開発を段階的に終了すると発表した。写真はワシントンの厚生省本部で4月撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
[5日 ロイター] - 米厚生省は5日、傘下の生物医学先端研究開発局(BARDA)がメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの開発を段階的に終了すると発表した。全体で5億ドル近くに上る22件のプロジェクトが影響を受けるという。
ケネディ厚生長官はワクチンに懐疑的な姿勢で知られており、ワクチンや食品、医薬品政策の全面的な見直しを進めている。ケネディ氏はmRNAワクチンの開発を終えていく理由として「新型コロナウイルスやインフルエンザなどの上気道感染症を効果的に予防できない」ことを示すデータが理由だとしたが、科学的証拠は示していない。
BARDAは公衆衛生上の脅威に対応するために企業の医療用品の開発を支援しており、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)ではワクチン開発のために数十億ドルを拠出していた。
厚生省は今回の措置には、米バイオ医薬品会社モデルナに認めたヒト用鳥インフルエンザワクチンの後期開発契約とワクチン購入権利の取り消しが含まれると説明。他に米ファイザー、フランスのサノフィのワクチン子会社サノフィ・パスツール、オーストラリアのCSLセキラス、米グリットストーン・バイオなどからの提案を含む複数の事前入札の募集も取り消す。