韓国大統領選、保守王国でもイ・ジェミョン猛追 討論会で勝利したのは知日派の意外な候補

テレビ討論に登場した候補者。右からイ・ジェミョン、イ・ジュンソク、クォン・ヨングク、キム・ムンス Chung Sung-Jun / REUTERS
<イ・ジェミョン支持率が全国で50%を超える一方、キム・ムンス候補はユン前大統領問題の対応に苦慮し保守層からの離反も──>
6月3日の大統領選挙まで残り2週間あまりとなるなか、「保守王国」大邱・慶尚北道(TK)地域でも激戦が繰り広げられている。リアルメーターの世論調査によると、共に民主党のイ・ジェミョン(李在明)候補の支持率がTK地域で前回調査より8.2%ポイント上昇し、43.5%に達した。国民の力のキム・ムンス(金文洙)候補は44.9%で、両者の差は誤差範囲内に縮まっている。
韓国メディアの報道によると、釜山・蔚山・慶南地域でもイ・ジェミョン候補(49.1%)とキム候補(39.4%)が競り合っている状況だ。全国的には、イ・ジェミョン候補が50.2%でトップを走り、キム候補(35.6%)、改革新党のイ・ジュンソク(李俊錫)候補(8.7%)が続いている。
専門家らは、キム・ムンス候補が光州民主化運動の鎮圧作戦を指揮したチョン・ホヨン元国防部長官を選挙陣営に迎え入れた後に撤回したことや、ユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領の離党問題をうまく処理できなかったことが支持率に影響していると分析している。一方で、イ・ジェミョン候補による保守層を取り組む戦略や、大邱・地域への集中的なアプローチが功を奏しているとの見方もある。
「イ・ジェミョン大勢論」が強まるなか、保守派からもイ候補への支持宣言が相次いでいる。国民の力を離党したキム・サンウク(金相旭)議員に続き、改革新党を離党したホ・ウナ(許垠娥)元代表とム・ヨンナム(金勇男)元議員らもイ・ジェミョン候補支持を公表している。