中国の経済成長は持続不可能...衰退の中でも「台湾侵攻」は起こるのか?
In Decline but Still Dangerous
それに比べれば内政のほうははるかに楽だ。
中国共産党には激しい派閥抗争の噂もあるが、中国の政治制度は昔から独裁的な支配に見合うよう最適化されてきた。党は政治制度を完璧にするべく絶えず更新・調整を行ってきた。習は自分の好みどおりに微調整する余裕があったので彼の地位は安泰なはずだ。
習の3期目突入を暴挙とみる向きもあるが、中国共産党の100年を超える歴史の中で、2期を務め上げたのは胡錦濤(フー・チンタオ)だけ。ほかは皆、党内の権力闘争に左右された。
つまり習の3期目突入は伝統回帰で影響力の証しなのだ。最近、習自身が任命した軍高官の解任が相次いでいるのを影響力低下のしるしとみる向きもあるが、逆に彼らが習の期待に応えられなかったせいとも考えられる。
世界の中国観測筋の懸案は「習は台湾を侵略するのか」。既定の答えは「イエス」──中国は衰退していても危険というわけだ。
だが現実的には、アメリカがインド太平洋地域の平和を一貫して保障するかどうか、そして台湾の反中派が選挙で親中派を上回る票を獲得できるかどうかに懸かっている。