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イギリス政治

「ジョークも痛々しい」スターマー英首相の転落ぶりには目を見張るものがある...「伸び代しかない」

KEIR STARMER

2024年12月25日(水)14時30分
コリン・ジョイス(在英ジャーナリスト)

そもそもカリスマ性なし

その他の問題は、「政権運営の現実」と関わっている。政府は決定を下さなければならず、それは必然的に一部の人を動揺させる。特に彼らから金を取り上げるような場合には。

例えば労働党は財政負担軽減のため、66歳以上の国民に支給していた冬季燃料手当を一部を除き廃止した。また、相続税なしに農場を相続できる抜け穴も改正された。

巨額の資産を持つ農家に免税など必要ないと思う人もいるかもしれない。だがそれは、大金を工面して納税しなければ家業の農場を無傷で受け継げないことを意味する。単純に考えて農業の場合はこれでは十分な利益が得られず、農村部は激怒している。


そもそもスターマーにカリスマの印象はなかったが、時に飛び出す冗談(私も次のジェームズ・ボンドになれる、とか)は痛々しいほど。トニー・ブレアやボリス・ジョンソンら前任首相らと違い、魅力に欠ける。

【動画】痛すぎて見ていられないジョーク「私も次のジェームズ・ボンドになれる」 を見る

スターマーにとっての課題はもちろん、「ここからどう進む?」だ。良い知らせは、出だしの失敗を修正する時間があるということ。

サッカーファンの彼は、もしもビハインドするなら試合の早い段階のほうがはるかにいいと知っているだろう。29年まで総選挙の予定はなく、それまでに景気が回復し、スターマーが(地味でも)有能な仕事ぶりなら、有権者はずっと好意的になるだろう。

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