最新記事
中東

アサド政権崩壊後のシリアで「イスラム国(IS)の封じ込めを」...米国務長官、トルコ外相との会談で訴え

2024年12月14日(土)11時54分
シリアでのIS台頭を警戒するブリンケン米国務長官

ブリンケン米国務長官は13日、トルコのフィダン外相とアンカラで会談した。アンカラで13日代表撮影(2024年 ロイター)

ブリンケン米国務長官は13日、トルコのフィダン外相とアンカラで会談し、アサド政権崩壊後のシリアで過激派組織「イスラム国」(IS)が勢力を再び拡大しないよう継続的に取り組む必要があるとの考えで一致した。

会見したブリンケン氏は、シリアで過激派組織「イスラム国」(IS)の活動を封じ込めるため、両国の継続的な取り組みが不可欠である点を議論したと発言。


「われわれは(ISの)カリフ領を確実に排除し、脅威が再び生じないよう、長年にわたって力を尽くしてきた。こうした取り組みを根気よく続けることが不可欠だ」と述べた。

アサド政権崩壊後のシリアに何を望むかについて、トルコと米国の間で幅広い合意があるとの認識も示した。

会談では、米国が支援するクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」と、トルコが支援する勢力との間で続くシリア北部での衝突にも焦点が当てられた。

この件はシリア安定化に向けた重要な要素の1つとなっている。米高官によると、SDFはISの残党などとの戦いから注意をそらすべきではないとのブリンケン長官の見解にトルコ側は同意したという。

ブリンケン長官は今回のトルコ訪問を通して、パレスチナ自治区ガザでの停戦の重要性を改めて強調。フィダン外相との会談後、「エルドアン大統領、およびフィダン外相との会談で、ハマスが(停戦案に)合意することの重要性について協議した」とし、「トルコがハマスに対して持つ影響力を行使し、この状況を終結に導くよう努めていることに感謝する」と述べた。

共同会見したフィダン氏は、アサド政権崩壊後のシリアの安定を確保し、テロ組織による支配を防ぐことがトルコの優先課題だと発言。シリアの将来を巡って両国がどのような役割を果たせるかを会談で議論したと述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中