最新記事
災害

モロッコで大規模地震、死者2000人・重体1400人超える 60年余ぶりの甚大被害

2023年9月10日(日)16時21分
ロイター
崩落した建物の瓦礫に押しつぶされた自動車

北アフリカ・モロッコの高アトラス山脈で8日夜に大規模な地震が発生し、少なくとも296人が死亡した。写真は9日、ビデオの映像から(2023年 ロイター/Al Oula TV提供)

北アフリカ・モロッコの高アトラス山脈で8日夜に発生した大規模地震は、9日時点で死者が2000人を超え、同国で60年以上ぶりとなる甚大な被害が出ている。

震源に最も近い主要都市のマラケシュでは、世界遺産に登録されている旧市街で建物が倒壊。地元テレビの映像には落下したモスクの塔や破壊された車の上に横たわるがれきが写っている。

内務省によると、2012人が死亡。2059人が負傷しており、そのうち1404人が重体という。生存者の捜索は続いている。

米地質調査所(USGS)によると、地震の規模はマグニチュード(M)6.8、震源地はマラケシュの南西約72キロ。深さは18.5キロ。少なくとも1万2000人が死亡したと推定される1960年の地震以来、死者数ではモロッコ最多になるという。

震源地に近いアミズミズでは、救助隊員が素手でがれきを取り除いた。病院の外では10体ほどの遺体が毛布に覆われ、親族が悲嘆にくれる姿も見られた。

マラケシュの南約40キロに位置するアスニ地域ではほぼ全ての家屋が損壊し、村民らは外で夜を明かす準備をしていた。村民の1人は食料が不足していると語った。

世界保健機関(WHO)によると、マラケシュとその周辺地域で30万人以上が被災した。揺れはスペイン南部でも感じられた。

マラケシュでは10月9日から国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会が開催される予定。IMFの広報担当者は「現時点でわれわれの唯一の関心はこの悲劇に対処しているモロッコの人々と当局にある」と語った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ビジネス
栄養価の高い「どじょう」を休耕田で養殖し、来たるべき日本の食糧危機に立ち向かう
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウォルツ大統領補佐官解任し国連大使に指

ビジネス

米マスターカード、1─3月期増収確保 トランプ関税

ワールド

イラン産石油購入者に「二次的制裁」、トランプ氏が警

ワールド

トランプ氏、2日に26年度予算公表=報道
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中