モデルナ、コロナワクチン4倍に値上げ 「政府調達の規模の経済失う」バンセルCEO
モデルナのワクチン。コネチカット州 で2月撮影(2021年 ロイター/Mike Segar)
米バイオ医薬品大手モデルナのステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は22日、同社の製新型コロナウイルスワクチンが政府契約から商業販売に移行する際に販売価格を1回当たり130ドルと現在の4倍に引き上げることについて、政府調達による「規模の経済」が働かなくなるためだと釈明した。米上院の厚生教育労働年金委員会の公聴会で証言した。
バーニー・サンダース委員長はバンセル氏に価格の見直しを要求。数百万人の米国民がワクチンを購入できなくなる上、政府の研究がワクチンの開発に寄与し、17億ドルの政府補助が出ていることを考えれば新しい価格は不当だと訴えた。
これに対してバンセル氏は、政府向けには10回分入りの瓶を販売してきたが、商業販売では1回分入りの瓶か、あらかじめワクチンを入れた注射器に切り替えることになると説明。廃棄分を織り込んで十分な量を確保する必要性もあり、コストが増えると主張した。
バンセル氏は「何よりも需要が90%減ると見込んでいる。ご承知のように、われわれは規模の経済を失う」と述べた。
モデルナは2月、今年のコロナワクチンの売上高について、需要の減退により昨年の184億ドルから50億ドルへと大幅に落ち込むとの見通しを示した。
米政府は5月に新型コロナワクチン購入の大半を民間に移す計画。