最新記事

米中間選挙

米中間選挙:民主党「予想以上の善戦」で議席減は限定的か 下院は依然共和党優勢

2022年11月9日(水)19時45分

民主党にとって朗報は、激戦州の一つのペンシルベニア州での勝利だ。ジョン・フェッターマン候補がメフメト・オズ候補を破り共和党から議席を奪った。民主党は改選前議席確保に望みをつなぎ、夜が更けるにつれ、ホワイトハウスのムードも和らいだ。

ニューハンプシャー州では民主党の現職マギー・ハッサン氏が議席を守った。この議席は共和党が奪取する最大のチャンスとみられていた。米連邦捜査局(FBI)の廃止を訴え、新型コロナウイルスを巡る陰謀論に賛同した共和党のドン・ボルダック候補は右派以外に支持が広がらなかった。

リンゼー・グラム上院議員(共和党)はNBCとのインタビューで「共和党の波ではないことは確かだ」と述べた上で、「最終的には51議席か52議席を確保するだろう」と奪還に期待を示した。

上院選は接戦で、最終結果の判明までに時間がかかる見通し。ネバダ、アリゾナと並ぶ激戦州のジョージア州は民主党現職のラファエル・ワーノック氏と共和党のハーシェル・ウォーカー氏が接戦を繰り広げている。どちらの候補者も50%以上の票を得られなかった場合は12月6日に決選投票が行われる。

改選前議席は民主・共和両党が50ずつで同数だが、上院議長を兼ねるハリス副大統領が1票を投じることができるため民主党が多数派となっている。

バンス氏が勝利する一方でオズ氏は敗れ、アリゾナ、ジョージア、ネバダ各州の上院選で苦戦するなど、トランプ前大統領が支持した共和党候補者の結果はまちまちだった。

米選挙プロジェクトによると、郵便投票や期日前投票の利用者は4600万人を超えた。州の選管当局は開票作業に時間がかかると警戒。

ルイジアナ州では爆弾予告があったほか、ペンシルベニア州の郡では紙が不足する事態も発生。激戦地とされるアリゾナ州のマリコパ郡裁判所は8日、一部の選挙区で電子集計機が故障したことを受けた共和党の投票時間延長要請を棄却した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン大統領と外相搭乗のヘリが山中で不時着、安否不

ワールド

米・イランが間接協議、域内情勢のエスカレーション回

ワールド

ベトナム共産党、国家主席にラム公安相指名 国会議長

ワールド

サウジ皇太子と米大統領補佐官、二国間協定やガザ問題
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 5

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 6

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 7

    「すごく恥ずかしい...」オリヴィア・ロドリゴ、ライ…

  • 8

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 9

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 10

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中