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中国共産党

超ハイテク監視国家・中国が拡散する悪魔の弾圧ツール

China’s Surveillance State

2019年10月29日(火)17時00分
サラ・クック(フリーダム・ハウス上級アナリスト)、エミリー・ダーク(トロント大学博士課程)

監視技術の進化に対抗するのは難しい。それでも中国への渡航者(国外在住の中国人を含む)に注意を喚起することは最低限必要だろう。そして人権意識の高い投資家ならポートフォリオを見直し、監視や人権侵害の片棒を担ぐ企業への投資を控えるべきだ。投資家に見放されれば、そうした企業も人権侵害のツールを売るビジネスから手を引くかもしれない。

そして民主主義諸国の政府は、こうした中国企業との取引に慎重であるべきだ。アメリカ政府は10月に、新疆での人権抑圧に関与した中国企業を禁輸のブラックリストに加えたが、そうした企業は他の「重点人員」を対象にした監視システムも売っている。民主主義陣営に属する全ての国が、監視技術を利用した人権侵害に加担する中国企業に同様な制裁を科すべきだ。

この圧倒的で悪魔的な監視と抑圧のツールは猛スピードで中国全土に拡散している。私たちが座視していれば、それはあっという間に世界中に広まってしまうだろう。これは時間との競争だ。

From Foreign Policy Magazine

<2019年11月5日号掲載>

【参考記事】ウイグル「絶望」収容所──中国共産党のウイグル人大量収監が始まった
【参考記事】AI監視国家・中国の語られざる側面:いつから、何の目的で?

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