最新記事

宇宙

スペースXが開発中の有人宇宙船を公開 今年末にも宇宙飛行士を打ち上げへ

2018年6月7日(木)18時30分
鳥嶋真也

クルー・ドラゴンの想像図 (C) SpaceX

宇宙企業スペースXを率いるイーロン・マスク氏は2018年5月21日、開発中の有人宇宙船「クルー・ドラゴン」の写真をInstagramで公開した。

クルー・ドラゴンは同社にとって初、また民間企業が自力で開発したものとしても初となる宇宙船で、国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士を運ぶほか、宇宙旅行への活用も目指している。

クルー・ドラゴン

かつて宇宙飛行といえば、米国航空宇宙局(NASA)など、国の機関が主導する大事業だった。しかしNASAは2005年、「民間にできるできることは民間に任せる」という方針のもと、ISSへの補給物資の輸送を、民間企業にアウトソーシングする計画を立ち上げた。

この計画には米国内からさまざまな企業が名乗りを上げ、審査を経て、最終的に選ばれた2社のうちのひとつがスペースXだった。そして同社は、NASAからの資金提供や技術協力をもとに、大型ロケット「ファルコン9」と補給船「ドラゴン」を開発。試験飛行を経て、2012年から現在まで、ISSへの物資補給を定期的に続けている。

そしてNASAはその次の段階として、宇宙飛行士の輸送をも民間に委ねる計画も立ち上げた。審査の結果、大手航空宇宙メーカーのボーイングとともに、ふたたびスペースXも選ばれた。

スペースXが開発している「クルー・ドラゴン」宇宙船は、ドラゴン補給船をもとに、宇宙飛行士が乗れるように改良したもので、コクピットにタッチスクリーンが採用されるなど、先進的な技術がふんだんに取り入れられている。

最大7人の乗員を乗せ、地球とISSとの往復を行うことができる。また月や火星へ飛行できるだけの性能ももつ。

space001.jpg

イーロン・マスク氏が公開した、開発中の有人宇宙船「クルー・ドラゴン」の写真 (C) Elon Musk/SpaceX

space002.jpg

クルー・ドラゴンの船内。スイッチばかりだった従来の宇宙船とは異なり、タッチスクリーンを多用したシンプルかつスタイリッシュなデザインとなっている (C) SpaceX

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

過度な為替変動に警戒、リスク監視が重要=加藤財務相

ワールド

アングル:ベトナムで対中感情が軟化、SNSの影響強

ビジネス

S&P、フランスを「Aプラス」に格下げ 財政再建遅

ワールド

中国により厳格な姿勢を、米財務長官がIMFと世銀に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みんなそうじゃないの?」 投稿した写真が話題に
  • 4
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 7
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 10
    インド映画はなぜ踊るのか?...『ムトゥ 踊るマハラ…
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 5
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中