最新記事

試写会

リア充を追求しSNSに私生活をさらす末路は? 映画「ザ・サークル」試写会ご招待

2017年9月20日(水)08時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

「ザ・サークル」© 2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved.

<テレビの世界でヒットしたリアリティーショー、そしてFacebookやTwitter、InstagramなどのSNS......。今や世界中の人びとは自らの私生活を他人に見せることに熱中している。こういったトレンドの行き着く先は? 映画「ザ・サークル」はそんな未来を予感させる作品だ>

映画「ザ・サークル」に登場する世界最大のSNSは、全人類がすべてを隠すことなくオープンにする完全な社会を目指す。誰もがいつでもつながり、お互いの体験をシェアしあい、最高に刺激的で、ハートウォームなイベントを共有する──。「すべてを隠さず」なんてあり得ない、と思う人も多いだろうが、FacebookやTwitterを利用している人の中には、自らのプライベートを知人に共有し、それが見ず知らずの人へと拡散されてしまった経験をもっている人もいるのではないだろうか? 映画「ザ・サークル」はそんな現代人のプライベートを見られることの快感と恐怖を描く。

地味で真面目な田舎の優等生から、SNS企業の社員としてエキセントリックなインフルエンサーへ変貌していく主人公を演じるのはエマ・ワトソン。『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニーや『美女と野獣』のベルと、誰からも愛されるキャラクターを演じてきた彼女は、Twitterで2500万人を超えるフォロワーを持ち、自らの信条を発信するという点で、まさにうってつけのキャスティングだろう。そして、SNSによって犯罪やテロを根絶し、世界を改革しようとするカリスマ経営者を演じるのはトム・ハンクス。いつもの愛嬌たっぷりのトム・ハンクスとはひと味違う、影のある演技が印象的だ。

社会学者の古市憲寿はこの映画のために寄せたコメントの中で、SNS全盛の現代を「人々は、誰に強制されたわけでもないのに、進んで誰かの監視対象になろうとしているのだ。まるで映画『ザ・サークル』に登場する人々のように」と見通す一方で、これが決して目新しいことではないとも指摘。「劇中のサークル社が実現させようとしているのも、インターネットを使った新しいムラ社会だ。特にサークル社の企業風土はムラそのものである。興味深いのは、このようなムラ社会と、日本の相性が非常に良いことだ。なぜなら、日本の大企業は少し前まで、サークル社のようなムラ組織だった。時代が変わり、テクノロジーが進化しても、人間の行動原理はなかなか変わらない。一見すると新しい時代を描いた『ザ・サークル』であるが、実は、普遍的な人間の愚かさや、コミュニティが暴走する怖さを突きつけている」と語っている。

超巨大SNSが掲げる理想は人びとのすべてをさらすこと

newsweek_20170920_022756.JPG

エマ・ワトソン演じる主人公はエキセントリックなインフルエンサーへ変貌する © 2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved.

[ストーリー] 世界No.1のシェアを誇る超巨大SNS企業〈サークル〉。創始者でありカリスマ経営者のベイリー(トム・ハンクス)が掲げる理想は、全人類がすべてを隠すことなくオープンにする"完全な"社会である。
 憧れの最先端企業〈サークル〉社に採用され、日々奮闘する新人メイ(エマ・ワトソン)は、ある事件をきっかけにベイリーの目に留まり、新サービス〈シーチェンジ〉の実験モデルに大抜擢される。
 自らの24時間をカメラの前に公開したメイは、またたく間に1000万人超のフォロワーを得てアイドル的存在になるのだが、その先には思わぬ悲劇が待ち受けていた......。

[監督・脚本]:ジェームズ・ポンソルト
[出演]エマ・ワトソン(『美女と野獣』)、トム・ハンクス(『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズ)、ジョン・ボイエガ(『スター・ウォーズ』シリーズ)、カレン・ギラン(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』)、エラー・コルトレーン(『6才のボクが、大人になるまで。』)、パットマン・オズワルド(『LIFE!/ライフ』)、グレン・ヘドリー(『ドン・ジョン』)、ビル・パクストン(『タイタニック』)ほか
[配給]ギャガ
【オフィシャルサイト】gaga.ne.jp/circle
11月10日(金) TOHOシネマズ 六本木ヒルズ他全国ロードショー

今回、本作品の試写会に読者の方80組160名様をご招待します。


『ザ・サークル』試写会
日時:2017年10月30日(月)18:00開場/18:30開映(上映時間:110分)
会場:よみうりホール 千代田区有楽町1-11-1 読売会館7Fビル

応募締切:2017年10月6日(金)12:00


submit.png


※当選の発表は試写状の発送をもって代えさせていただきます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ボルトン元米大統領補佐官、無罪を主張 機密情報持ち

ビジネス

ユーロ圏インフレリスクの幅狭まる、中銀の独立性不可

ワールド

ハマス、次段階の推進を仲介者に要請 検問所再開や支

ワールド

中国により厳格な姿勢を、米財務長官がIMFと世銀に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 2
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 4
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 5
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 6
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 7
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 8
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体…
  • 9
    ビーチを楽しむ観光客のもとにサメの大群...ショッキ…
  • 10
    男の子たちが「危ない遊び」を...シャワー中に外から…
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 4
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 5
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 8
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中