早さより味 マックが賭ける生肉パティのクォーターパウンダー
生の牛肉の使用は、チキンナゲットなど人気商品における人工保存料の使用中止とともに、よりシンプルで、「クリーン」で、新鮮な原材料を求める顧客のニーズに対応することで、売り上げを押し上げるとアナリストは予想する。
クォーターパウンダーの改良は、オクラホマ州とテキサス州の約400店舗で約2年間、試験的に導入され、アナリストや当地のマクドナルドのフランチャイズ加盟店からすでに支持を集めている。
テキサス州ダラス地域のマクドナルドのマネジャー3人がロイターに語った推定では、広告やクーポンの効果はあるものの、改良によってクォーターパウンダーの売上高が20─50%拡大した。
「この先のワタバーガーから客を奪っている」と、ダラス北部の高級住宅地区にあるマクドナルドのマネジャー、エドガー・メザ氏は言う。テキサス州に拠点を置くワタバーガーはコメントを控えた。
一部のバーガー好きも注目している。
「少しジューシーになった」と語るのは、ダラスのディープエラム地区近くのマクドナルドでクォーターパウンダーを平らげたロブ・ライリーさん。マクドナルドでの食事は、今週でこれが3度目だという。
「ウェンディ―ズが目を覚まさせたのだと思う」
ダラス・フォートワース地域で20店舗を所有しているマクドナルドの元幹部ジョー・ジャスパーさんは、こうした取り組みに深く関わってきた。ジャスパーさんは新クォーターパウンダーについて、「業界最高のバーガーだが、それよりも重要なのは(提供する)マクドナルドのスピードだ」と説明する。
問題は、「マクドナルドのスピード」が多くのライバルほど速くはない、ということだ。
ファストフード業界誌QSRが発表した調査によると、マクドナルドのドライブスルーにおける昨年の平均提供時間は208.2秒。業界トップを走るウェンディーズの169.1秒に大きく水をあけられている。バーガーキング、ダンキンドーナツ、ケンタッキーフライドチキン(KFC)にも負けている。
マクドナルドは2012から2016年にかけて、一部店舗でドライブスルーのレーンを増やすなどして、ウェンディーズとの提供時間の差を3分の1縮小した。だが、それでも昨年の平均提供時間は2012年と比べ、20秒近く遅くなっている。