最新記事

銃社会

銃撃事件に遭った米共和党議員「銃のおかげで助かった」

2017年6月15日(木)18時00分
クリス・リオッタ

銃撃事件の現場を調べる警察官 Joshua Roberts- REUTERS

<野球の練習をしていた共和党議員らが銃撃された事件。現場にいた共和党議員は銃社会を嘆くどころか、警護の警官が銃を持っていたことに感謝した>

米共和党議員らが野球の練習中に銃撃された事件で辛くも難を逃れたマイク・ビショップ米下院議員(共和党、ミシガン州選出)が、命が助かったのは銃のおかげだと語った。

米バージニア州アレクサンドリアで14日朝、共和党下院ナンバー3のスティーブ・スカリス下院院内幹事と議員スタッフ、議会警察の警官2人の計4人が撃たれて負傷した。容疑者の男は警官との銃撃戦で死亡した。

【参考記事】共和党議員銃撃、「左派」支持者の凶行に衝撃

ビショップは米ラジオ局WWJニュースラジオ950の番組に出演し、犯人が野球場に到着したとき、野球チームに参加した共和党議員とスタッフは「無防備だった」と語った。報道によれば、犯人は銃撃前に、共和党と民主党のどちらのチームが練習しているのかを尋ね、共和党だと確認したうえで犯行に及んだという。

【参考記事】米共和党、精神疾患のある元軍人にも銃購入解禁目指す

「今回の銃撃から生き延びることができたのは、神の庇護によって、我々の1人(スカリスの警護をしていた警官)が銃を持っていて応戦し、隠れる時間を稼いでくれたからだ」とビショップは言った。「もしあの勇敢な警官が撃っている間に隠れなかったら、恐らくみんな死んでいた。1人残らず、全員が撃たれただろう」

(銃撃を受けたときの模様をテレビで話すビショップ議員)


全員が至近距離で撃たれていた

臀部を撃たれたスカリスは、ヘリコプターで病院に搬送された。銃撃直後は容体が安定していたが、その後、悪化した。別の議員スタッフの1人は胸部を撃たれる重傷を負った。

米CBSニュースが伝えた目撃者の証言によれば、犯人はライフル銃とそれより小型の銃を携え、数分間にわたり発砲を続けたという。

ビショップは事件後の数時間後、現場にいた自分たちは銃のおかげで命拾いしたと言った。

「犯人はフェンス沿いに近づき、散り散りになって隠れた我々全員を探し出そうとした」とビショップは言う。「こちらが応戦しなければ、犯人は1人1人を至近距離で撃っただろう」

【参考記事】レイプ犯と銃乱射犯に共通する「本物の男」信仰

ビショップの反応は、ドナルド・トランプ米大統領が過去の銃乱射事件後に示した反応に通じるところがある。被害者も銃を所持していれば犯人に反撃できて、結果的に犠牲者は少なくてすむ、というのだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GDP、第1四半期は+1.6%に鈍化 2年ぶり低

ワールド

米英欧など18カ国、ハマスに人質解放要求

ビジネス

米新規失業保険申請5000件減の20.7万件 予想

ビジネス

ECB、インフレ抑制以外の目標設定を 仏大統領 責
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中