最新記事

朝鮮半島

北朝鮮、軍創設記念日で大規模砲撃演習 米原潜は釜山入港し牽制

2017年4月25日(火)18時50分

4月25日、韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮は、朝鮮人民軍の創建85年の記念日を迎えるのにあわせ、大規模な砲撃演習を行った。写真は韓国の釜山港に入港する米海軍の原子力潜水艦ミシガン。米海軍提供(2017年 ロイター)

ミサイル・核開発プログラムを巡り国際的な孤立を強める北朝鮮は25日、朝鮮人民軍の創建85年の記念日を迎えるのにあわせ、大規模な砲撃演習を行った。

韓国の聯合ニュースが韓国政府筋の話として伝えたところでは、北朝鮮の軍が同国東岸の元山市近郊で大規模な実弾演習を行ったもよう。韓国国防省はこの報道を確認していない。

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は1面の社説で、朝鮮人民軍は「米国の策略と核の脅しの歴史に終止符を打つ」用意があると表明。「人民軍には、様々な精密・小型核兵器、潜水艦発射弾道ミサイルなど、独自の最新鋭軍装備があり、攻撃力に限界はない」と指摘した。

一方、米海軍の原子力潜水艦ミシガンは25日、韓国・釜山港に入港した。

4月は北朝鮮で記念日が続くうえ、米韓軍が大規模な合同演習を実施していることから、金正恩政権が挑発行動に出ることが懸念されている。とりわけ朝鮮人民軍創建85年に当たる25日は、6回目の核実験を踏み切る可能性が指摘されており、トランプ米大統領は、空母カール・ビンソンも合同訓練のため朝鮮半島近海に向かわせており、日韓との連帯を示すことで北朝鮮を強くけん制している。

トランプ大統領は24日、中国、ロシアを含む国連安保理15カ国の大使とホワイトハウスで会談。「北朝鮮の現状維持は許されない」との立場を示し、「安保理は北朝鮮の核開発・弾道ミサイルプログラムに対し、より強力な追加制裁を発動する用意を整えておく必要がある」と述べた。

そのうえで、北朝鮮は世界に対する現実的な脅威であるとの認識を示し、「北朝鮮問題は何十年も放置されてきたが、解決しなければならない時期に来た」と語った。

26日にはティラーソン国務長官、マティス国防長官、コーツ国家情報長官、米軍のダンフォード統合参謀本部議長がホワイトハウスで、北朝鮮情勢について上院全体に説明する。100人の上院議員全員が今回のような目的でホワイトハウスを訪れ、しかも前述の高官4人が関与するというのは異例。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:中国の米国産大豆購入、国内供給過剰で再開は期

ビジネス

SBI新生銀、12月17日上場 時価総額1.29兆

ビジネス

レゾナック、1―9月期純利益は90%減 通期見通し

ビジネス

三越伊勢丹HD、通期純利益予想を上方修正 過去最高
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 8
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 9
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 10
    「麻薬密輸ボート」爆撃の瞬間を公開...米軍がカリブ…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中