最新記事

朝鮮半島

北朝鮮、軍創設記念日で大規模砲撃演習 米原潜は釜山入港し牽制

2017年4月25日(火)18時50分

ホワイトハウスで説明を行うことで、米国が対北朝鮮政策の転換に真剣だというメッセージを強調する狙いがあるようだと議会側近は語る。

日米韓は中国の役割拡大で一致

また、日米韓の政府高官は25日、北朝鮮問題を巡る6者協議の代表者会合を都内で開いた。北朝鮮軍の創建記念日を迎え、新たな挑発行為が懸念される中、3者は北朝鮮に強く自制を促すことで一致。中国の役割拡大を求めることでも認識を共有した。

26日には日本と中国の代表者が会い、北朝鮮への石油の禁輸措置などを協議する見通しだ。

会合には日本の外務省の金杉憲治アジア大洋州局長、米国務省のジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表、韓国外務省のキム・ホンギュン朝鮮半島平和交渉本部長が出席した。金杉局長は会談後、記者団に対し、「北朝鮮がさらなる挑発行為を取る危険がある。日米韓が連携し、強力に自制を促していくことで一致した」と語った。

韓国のキム朝鮮半島平和交渉本部長は記者団に、「私たちは北朝鮮にさらなる挑発をやめるよう強く警告する。それでも北朝鮮がこれを続けた場合、耐え難い懲罰的措置を通じ、北朝鮮への圧力を最大化することにした」と述べた。

会合の焦点の1つとなったのは、北朝鮮の貿易の9割を占める中国の役割。中国は2月に北朝鮮からの石炭輸入を停止したが、日本の外務省の金杉局長は「より大きな、具体的な役割を求めることで(日米韓で)一致した」と語った。25日に来日した中国の武大偉・朝鮮半島問題特別代表と26日に会談し、日米韓の考えを伝える方針。金杉局長は「石油は1つのツール。武大偉大使と会うときにこの点も取り上げたい」と語った。

日米韓の代表者は、会合の終盤に北朝鮮による大規模な砲撃演習についての情報を知らされた。金杉局長は「規模の大小にかかわらず、北朝鮮が挑発行動を取ることは、われわれにとって受け入れられないということで日米韓で一致している」と述べた。

また、NZのリゾート地クイーンズタウンでは、米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド(NZ)の情報機関が25日会合を開く、と同国のイングリッシュ首相が明らかにした。

「ファイブ・アイズ」と呼ばれる情報ネットワークを構成する5カ国の会合について、イングリッシュ首相は24日に開催自体は認めたものの、議題や出席者について明らかにしていない。

NZ情報機関の元職員であるマッセー大学の安全保障・防衛アナリスト、リース・ボール氏によると、ロシア政府の活動や北朝鮮を巡る核問題が議題になりそうだという。

[ソウル 25日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

米安保戦略、ロシアを「直接的な脅威」とせず クレム

ワールド

中国海軍、日本の主張は「事実と矛盾」 レーダー照射

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中