高市首相、日米首脳会談で次世代ミサイル防衛参画表明へ 南鳥島レアアース連携も=関係者
写真は日米の国旗。2024年4月、米ワシントンで撮影。REUTERS/Kevin Lamarque
Tamiyuki Kihara Yukiko Toyoda
[東京 13日 ロイター] - 米ワシントンで19日に開く日米首脳会談で、高市早苗首相が米国の次世代ミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」への日本の参画を表明することが分かった。首脳会談を巡って日本政府は、弾薬不足が指摘される米国からミサイルの増産を求められる可能性にも備える。ホルムズ海峡で商船を護衛する艦船の派遣などイラン情勢に絡む支援要請への対応方針は定まらない中で、日米の協力強化を可能な限り打ち出す考えだ。南鳥島(東京都小笠原村)周辺海域のレアアース(希土類)開発に米国が関与することも合意文書に盛り込む方向だ。
事情を知る複数の関係者がロイターの取材に明らかにした。ゴールデン・ドームは2025年1月、トランプ米大統領が創設を指示する大統領令に署名した肝入りの国防構想。28年末までに包括的な米本土ミサイル防衛システムを配備する計画だ。迎撃ミサイル、センサー、指揮統制システムなど既存の地上配備型の防衛手段を拡張するとともに、弾道ミサイルなどの脅威に軌道上で対処する宇宙配備型のシステム構築も想定する。石破茂前政権時から米側に関心を伝えてきたが、今回の首脳会談で参加を表明する。計画自体は技術的な論争や宇宙配備型兵器に対する懸念、予算面の課題などで十分に進んでいないとされるが、前出の関係者の1人は「ゴールデン・ドームへの参画は高市氏の強い方針だ」と述べた。
日本側はミサイルを増産して米国に供給することも議題となる可能性を想定しており、首脳会談に向けて準備を進める。すでに米国への輸出実績がある地対空誘導弾「パトリオット(PAC3)」のほか、前出と別の米側関係者によると、日米が共同開発した迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」、共同生産で合意している空対空ミサイル「AMRAAM」が俎上(そじょう)に上がる可能性がある。
日本はもともとトランプ氏との首脳会談で、中国を念頭に経済安全保障分野で米側と成果を示したいと考えていた。米国とイスラエルがイランへの攻撃に踏み切ったことで、想定される会談内容の力点が変化したものの、日本が調査を進める南鳥島周辺の国産レアアース開発で米国と協力することは、これまでの準備に沿って合意文書に盛り込む。複数の日本政府関係者はロイターの取材に「日米の開発協力が首脳会談で合意される」と話した。具体的な協力内容は引き続き調整する方針だ。
一方、中東情勢の混迷で日本が苦心しているのが、イラン攻撃への立場や協力の選択肢をトランプ氏にどう伝えるかだ。攻撃が始まってから2週間がたつものの、イランの革命防衛隊は抵抗を強めており早期の終結は見通せない。ホルムズ海峡は事実上の封鎖状態にあり、海上輸送路の安全確保が喫緊の課題となっている。
仮に日本の護衛艦が他国の艦船とともに船舶護衛に当たる場合、国内法に照らして「存立危機事態」や「重要影響事態」に該当するか否かの判断が求められる。政府は現時点で「現在の(海峡の)状況が存立危機事態に該当するといった判断は行っていない」(木原稔官房長官)との立場を崩していない。前出の関係者の1人は「トランプ氏から『護衛艦を出してほしい』と言われても即答できない」と懸念。別の関係者は「護衛艦の派遣は簡単じゃない。これまでの政府発信との整合性も問われてしまう」と話した。
日本の外務省はロイターの取材に「首脳会談で様々な成果を出すべく調整しているが、現時点で結果を予断することはできない」とした。
(鬼原民幸、豊田祐基子、David Brunnstrom 編集:久保信博)





