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北朝鮮「米行動なら全面戦争」、米ペンス副大統領はけん制発言

2017年4月18日(火)11時12分

4月17日、北朝鮮の外務次官は、定期的にミサイル発射実験を続ける方針を示した。写真は、平壌で行われた軍事パレード。15日撮影(2017年 ロイター/Damir Sagolj)

北朝鮮の韓成烈(ハン・ソンリョル)外務次官は、定期的にミサイル発射実験を続けるほか、米国が軍事的な行動に出れば「全面戦争」を招くと警告した。BBCが17日、インタビュー中の発言として伝えた。

BBCによると、同次官は「週、月、年ベースでさらなるミサイル実験を行う」と言明。「米国が軍事的手段を活用するほど向こう見ずな態度に出れば、まさにその日から全面戦争(が始まること)を意味することになる」と述べた。

核兵器で、米国の軍事的脅威から自国を防衛すると確信しているとも語ったという。

一方、アジア歴訪中のペンス副大統領は17日、北朝鮮に対しトランプ米大統領の行動と意思に留意すべきと警告。

「世界はこの2週間に、シリアやアフガニスタンでとった行動を通じて、トランプ米大統領の強さと決意を目の当たりにした。北朝鮮は、トランプ大統領の決意や、この地域における米軍の強さを試すようなことはしないほうが賢明だ」。ペンス副大統領は、韓国で黄教安・大統領代行との会談後、共同記者会見でそう語った。

ペンス副大統領と黄大統領代行は、北朝鮮による一段のミサイル発射や核実験を容認しないとの姿勢を強調。共同会見では、韓国に米軍の新型迎撃ミサイルTHAAD(サード)を配備する計画を進めることを確認し、配備に反発する中国が韓国に対し報復的な行動をとっていることについて遺憾の意を示した。

「戦略的忍耐」は終わり

ペンス米副大統領は韓国での会談に先立ち、南北の軍事境界線に接する非武装地帯(DMZ)付近の米軍基地を訪問。副大統領は、米国の北朝鮮に対する「戦略的忍耐」の時代は終わったと強調。米国は韓国との「鉄の同盟関係」を支持し、力を通じた平和を模索する姿勢を示した。

米副大統領は「この国の人々の安定を確保するため、あらゆる選択肢を検討する」とした上で「戦略的忍耐の時代は終わった」と述べた。

米副大統領は、中国が北朝鮮の「政策変更に必要な行動をとる」ことをトランプ大統領は望んでいるが「中国が問題に対処しないのであれば、米国と同盟国が対処するとの意思を鮮明にしている」と説明した。

[ロンドン/ソウル 17日 ロイター]


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