最新記事

EU

ブレグジットでEUが経験する「5つの変化」

2017年4月1日(土)08時29分

英国のロシアに対する強硬路線は、バルト諸国やオランダのような友好国から支持を得ている。これらの国々は、フランスやイタリア、そして恐らくドイツによる弱腰な態度が、対ロシア制裁やロシア産ガスへの依存を削減することに対するコンセンサスを損ねることを危惧している。

<政治文化:ブレグジット万歳か>

EU機関で働く英国人職員は、その人数は十分ではないものの、上級職においてだけでなく、欧州議会においても、過去44年間にわたって主な役割を築いてきた。離脱により、EUの職から英国人が締め出されることとなり、それも失われることになる。

多くの政府、とりわけ小さな国の政府は、EU創設にあたりフランスが持ち込んだ中央集権的で統制経済的な伝統よりも、実用主義的で自由競争主義的な英国のやり方を評価している。

英国は1つの遺産を残すことになるだろう。それは、EUの実用言語として英語が生き残る可能性が高いからだ。とはいえ、フランス政府の一部からはフランス語の復活に期待する声も上がっている。

<生き残りゲーム:タブー破り>

EU離脱の是非を問う住民投票が英国で実施されて以降、EU指導者たちは、残りの27カ国における新たな団結を呼びかけている。各世論調査では、市民たちのEU支持率は概ね上昇している。しかし、各国政府が異なる優先事項を抱えるなか、英国との離脱交渉によって、そうした団結がまさに試されることになるだろう。

前例のないEU基本条約(リスボン条約)第50条の発動はこれまでのタブーを破り、「分かたれることのない連合」への祈りはむなしく響いている。EUは今後も離脱の脅威に取り組まねばならず、それは全体的な意思決定に影響を与え続けるだろう。

(Alastair Macdonald記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)



[ブリュッセル 28日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミネソタ州に兵士1500人派遣も、国防総省が準備命

ワールド

EUとメルコスルがFTAに署名、25年間にわたる交

ワールド

トランプ氏、各国に10億ドル拠出要求 新国際機関構

ワールド

米政権、ベネズエラ内相と接触 マドゥロ氏拘束前から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向」語る中、途方に暮れる個人旅行者たち
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 5
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 6
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」…
  • 7
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 8
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 9
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 10
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 9
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 10
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中