最新記事

自衛隊

「かが」就役で海自のヘリ空母4隻に 中国の海洋進出に対抗

2017年3月23日(木)07時33分

3月22日、空母のような外観の海上自衛隊の護衛艦「かが」が就役した。多数のヘリコプターを搭載できる日本の艦艇は4隻体制となり、海自のすべての護衛隊群に1隻ずつ配備されることになる。写真は横須賀港での海上自衛隊による就役式で撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

空母のような外観の海上自衛隊の護衛艦「かが」が22日、就役した。多数のヘリコプターを搭載できる日本の艦艇は4隻体制となり、海自のすべての護衛隊群に1隻ずつ配備されることになる。中国軍の海洋進出が活発になる中、自衛隊は対潜水艦戦や島しょ防衛の能力を引き上げる。

「かが」は、全長248メートルの海自最大の護衛艦「いずも」の2番艦。「いずも」と同様、9機のヘリコプターを作戦に投入できる。主任務は潜水艦の捜索で、水中に垂らして音を拾うソナーを備えたヘリコプターを7機、多目的のヘリコプター2機を搭載する。

空母のような広い甲板を持つ海自の護衛艦は、「ひゅうが」、「いせ」(訂正)、「いずも」に続いて4隻目。広島県の呉基地が母港の「かが」が就役したことで、全国に4つある海自の護衛隊群に1隻ずつ配備する体制が整う。

就役の式典に出席した小林鷹之防衛政務官は、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発と中国の海洋進出に触れ、「わが国自身の防衛力を強化し、自らの果たし得る役割の拡大を図らなければらない。そのためにも、『かが』の存在はきわめて重要だ」と語った。

「かが」は対潜のほかにも、艦隊の司令塔、水陸両用部隊の輸送、災害時救援などの役割が想定されている。海自を代表する護衛艦として、東南アジア諸国を中心に他国への寄港も見込まれる。海自は同型艦の「いずも」を今年5月から3カ月間、南シナ海とインド洋に派遣する。

(久保信博)

[横浜市 22日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル軍、ガザ市の学校・市場を攻撃 少なくとも

ワールド

ドイツ国防相、600億ユーロ超への国防予算増額目指

ワールド

インドがパキスタンの「テロ拠点」攻撃、26人死亡 

ワールド

ウクライナに「テロの傾向」、モスクワ無人機攻撃で=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗と思え...できる管理職は何と言われる?
  • 4
    分かり合えなかったあの兄を、一刻も早く持ち運べる…
  • 5
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 6
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 7
    「欧州のリーダー」として再浮上? イギリスが存在感…
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    首都は3日で陥落できるはずが...「プーチンの大誤算…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中