最新記事

韓国

韓国与党から30名が離党・新党結成 セヌリ党は第2党に転落

2016年12月27日(火)18時28分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

(C) MBC / Youtube

<パク・クネ大統領の疑惑問題が発覚して以降、国民の厳しい批判を受けてきた与党セヌリ党が危機的状態に突入した。反主流派議員が離党、新党結成を発表。これとは別に国連事務総長を退任するパン・ギムンを代表として新党を結成しようとする動きも出ている>

 パク・クネ大統領の友人チェ・スンシルによる政治介入疑惑に始まった一連の"チェスンシルゲート"の余波は、韓国国会でのパク大統領弾劾決議可決と、それによる職権剥奪を経て、ついに年末にきて与党セヌリ党の分裂騒動にまで発展した。

 MBCなど韓国メディアが報じたところによると、パク大統領を擁する与党セヌリ党から非主流派の議員29名が集団で離党、新党結成を宣言した。この集団離党により、セヌリ党の議席数は99に減って第2党に転落、最大野党「共に民主党」が121で第1党となった。第2野党「国民の党」の議席は38。

 27日午前、セヌリ党のキム・ムソン、ユ・スンミン議員らが記者会見をし、集団で離党を宣言した。宣言文では、親パク派勢力は史上最悪の憲法蹂躙と国政壟断という事態を庇護した、と批判。自由民主主義を守り、社会統合や暖かいコミュニティを実現する新しい保守政党を構築していくとアピールした。ただ、ここ数日来、離党・新党結成に向けてセヌリ党主導部との駆け引きを行っていた非主流派の議員たちだったが、結局離党をしたのは当初予告していた35名から29名に留まる形となった。

 午後には離党した29名に既に離党をしていたキム・ヨンテ議員を加えた30名が、仮称「改革保守新党」という名称で国会の院内交渉団体としての届けも提出。議員総会を開き、院内代表にチュ・ホヨン議員を選出した。

 当初離党に加わる予定だったほかの6名の議員に対しては、今後も説得を行い、来年1月24日に正式に党旗揚げをする予定だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「気持ち悪い」「恥ずかしい...」ジェニファー・ロペ…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中