最新記事

英EU離脱

6月24日イギリス国民投票結果はEU離脱! その後のシナリオは......

2016年6月20日(月)19時39分

5月31日、EUは6月23日の英国民投票を控え、EU離脱(ブレグジット)の結果が出た場合のシナリオ作りを進めている。写真はブレクジット・キャンペーンの大型ポスター。マンチェスター・オルトリンシャンで5月撮影(2016年 ロイター/Phil Noble)

  欧州連合(EU)は6月23日の英国民投票を控え、EU離脱(ブレグジット)の結果が出た場合のシナリオ作りを進めている。数多くのEU高官や加盟諸国外交官への取材に基づき、離脱の場合の「行程表」をまとめた。

【関連記事】【まとめ】イギリスEU離脱を問う国民投票23日、結果判明までの流れ


●24日(金曜)─3つ、もしくはそれ以上のR

 投票締め切りは23日午後10時(2100GMT=日本時間24日午前6時)。主だった出口調査は計画されていない。投票結果はブリュッセルで夜が明けるころに判明する見込み。

 キャメロン英首相は国民投票で離脱が決まれば、「速やかに」EUに通告するとしているものの、少なくとも数日かかる可能性もある。首相にとって敗北を意味する離脱となれば、保守党内から辞任圧力が強まるだろう。辞任の圧力はたとえ残留が決まっても強まる可能性もある。

 金融市場は荒れ、イングランド銀行(英中央銀行)と欧州中央銀行(ECB)はポンドやユーロに対する「ブレグジット・ショック」への対処方針を用意している。

 加盟国のEU問題担当相や大使らが午前10時(0800GMT)までに定例会合のためルクセンブルクに集まる。行動をとるための最初の機会となる。

 ドイツとフランス、EUの各機関は共同声明を発表する見込み。EU創設6カ国(ドイツ、フランス、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)の外相が24日にベルリンで会合を開く可能性がある。

 欧州委員会のユンケル委員長が午前10時30分(0830GMT)に、ブリュッセルの本部でトゥスクEU大統領、シュルツ欧州議会議長を会談。持ち回りのEU議長国を現在務めるオランダのルッテ首相も参加し、メッセージを発表する。

「遺憾(Regret)」、英国民の意思の「尊重(Respect)」、EU統合に向けた「決意(Resolve)」という3つの「R」が盛り込まれそうだ。

 メッセージには4つ目のRが盛り込まれる可能性も。それはおそらく「報復(Reprisal)」だ。離脱する国が直面する苦境を警告することによって、他国が追随しないよう先手を打つ狙いだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「気持ち悪い」「恥ずかしい...」ジェニファー・ロペ…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中