最新記事

消費税

消費増税「誤った方向」、国際金融経済分析会合で米教授が進言

ノーベル経済学賞受賞のスティグリッツ教授の進言は増税延期へ向けたシナリオか?

2016年3月16日(水)16時39分

3月16日、政府は第1回の国際金融経済分析会合を開いた。会合に招かれたジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授は、「消費税率の引き上げは、日本経済を誤った方向に導く」とした上で、増税はすべきでないと首相に伝えたことを明らかにした。(2016年 ロイター/Yuya Shino)

 ジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授は、16日の国際金融経済分析会合の初会合で、持続的な経済成長に慎重な見方を示した。消費税率10%への引き上げについては「日本経済を誤った方向に導く」とし、安倍晋三首相に対し、2017年4月の増税を見送るべきと進言したことを明らかにした。

 会合出席後、官邸内で記者団に語った。世界経済の現状について、スティグリッツ氏は「決して良好とは言えない。16年の見通しは15年よりも視界が悪い」との認識を示した。

 リーマン・ショック以降の金融危機から世界経済を成長に導いた中国については「深刻な経済減速となりそう」と指摘、「欧州と米国では中国経済の減速を埋め合わせることはできない」と語った。

 こうした現状を踏まえ、17年4月の消費増税には否定的な見方を示し、「日本は財政刺激策に焦点を当てるべき」として緊縮財政からの脱却が必要と強調した。

「政治判断」に影響も

   政府は、今後も有識者を招いて世界経済の分析会合を開催する方針で、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)までに予定している5回以上の会合を通じ、経済安定化に向けた協調策を打ち出したい考え。

 増税判断を柱とする国内の政策運営とは一線を画しているものの、政府・与党内では、議論の結果が消費増税をめぐる政治判断に影響するのではとの見方も出ており、スティグリッツ氏の発言は「増税延期派」に勢いを与えそうだ。

 次回会合となる17日はデール・ジョルゲンソン米ハーバード大教授と岩田一政・元日銀副総裁、22日にはポール・クルーグマン米プリンストン大名誉教授をそれぞれ招き、経済情勢について意見を交わす。

 (梅川崇 編集:山口貴也 編集:山川薫)

[北京 25日 ロイター]

120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニュース速報

ワールド

トランプ氏が対北制裁強化へ署名、「兵器開発資金断つ

ビジネス

中国をA+に1段階格下げ、信用拡大リスク指摘=S&

ビジネス

日銀が政策維持、片岡委員「不十分」と反対 総裁「緩

ワールド

フィリピン中銀、予想通り金利据え置き インフレ予想

MAGAZINE

特集:対中国の「切り札」 インドの虚像

2017-9・26号(9/20発売)

中国包囲網、IT業界牽引、北朝鮮問題解決...... 世界の期待が高まるが、インドの実力と真意は不透明だ

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 2

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 3

    トランプ、北朝鮮の「完全破壊」を警告 初の国連演説で

  • 4

    ロヒンギャを襲う21世紀最悪の虐殺(前編)

  • 5

    世界初の頭部移植は年明けに中国で実施予定

  • 6

    ラットの頭部移植に成功 年末には人間で?

  • 7

    北朝鮮軍「処刑幹部」連行の生々しい場面

  • 8

    女性が怯えて生きるインドのおぞましい現実

  • 9

    中国で性奴隷にされる脱北女性

  • 10

    北朝鮮暴走に対する中国の見解――環球時報社説から

  • 1

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 2

    ビンラディンの「AVコレクション」が騒がれる理由

  • 3

    強気の北朝鮮 メディアが報じなかった金正恩の秘密演説

  • 4

    iPhone新作発表に韓国メディアが呼ばれなかった理由

  • 5

    AV強要の実態に、胸を締めつけられ、そして驚かされる

  • 6

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 7

    性科学は1886年に誕生したが、今でもセックスは謎だ…

  • 8

    中国は北朝鮮に侵攻して核兵器を差し押さえるか?

  • 9

    トランプ、北朝鮮の「完全破壊」を警告 初の国連演…

  • 10

    iPhoneX(テン)購入を戸惑わせる4つの欠点

  • 1

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 2

    「人肉は食べ飽きた」と自首した男と、とんでもない「仲間」たち

  • 3

    ビンラディンの「AVコレクション」が騒がれる理由

  • 4

    北朝鮮問題、アメリカに勝ち目はない

  • 5

    iPhoneX(テン)購入を戸惑わせる4つの欠点

  • 6

    強気の北朝鮮 メディアが報じなかった金正恩の秘密…

  • 7

    イルカの赤ちゃんはなぶり殺しだった

  • 8

    ダイアナが泣きついても女王は助けなかった 没後20…

  • 9

    iPhone新作発表に韓国メディアが呼ばれなかった理由

  • 10

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

全く新しい政治塾開講。あなたも、政治しちゃおう。
日本再発見 シーズン2
ニューズウィーク試写会「ザ・サークル」
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 別冊

0歳からの教育 知育諞

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2017年9月
  • 2017年8月
  • 2017年7月
  • 2017年6月
  • 2017年5月
  • 2017年4月