最新記事

オランダ

クイズに答えて国外追放されよう?

国外追放になる難民を集めて「愛国心」を競わせる悪趣味な番組がオランダで話題に

2011年10月13日(木)14時07分
ポール・エイムズ

移民排斥の波 政府の「独裁的」移民政策に抗議するイスラム教徒 Toussaint Kluiters-United Photos-Reuters

 オランダで最近、あるクイズ番組が話題になっている。難民の若者5人がオランダにまつわるさまざまな問題に解答し、国への愛着度を競うのだ。優勝賞金はスーツケースに入った4000ユーロ。国外追放される際の「持参金」だ。

 出場者は全員、幼少期に自国を逃れてオランダで育ったが、同国の難民政策が厳しくなったことで、難民申請が認められなかった人々。番組の冒頭に、明るい声で一人一人の人物紹介が読み上げられる。その悪趣味なスタイルには怒りの声も上がっている。

 長らく難民受け入れに寛大だったオランダだが、近年は移民増加への懸念が強まっている。昨年の総選挙では反イスラム、反移民の自由党が第3党に躍進。同党の閣外協力に頼る中道右派の政府は、移民対策を強化した。

 出場者の1人で、15歳のときにカメルーンから逃れてきたブレッシング(24)は「深刻な問題を面白おかしく取り上げることで、多くの人に注目してもらえる」と、番組の型破りなアプローチを支持している。

 しかし彼女は4人のライバルを相手にあえなく敗退。残念賞は、伝統的なデルフト焼きタイル柄の防弾チョッキだった。

GlobalPost.com特約

[2011年9月21日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インドとパキスタン、即時の完全停戦で合意 米などが

ワールド

ウクライナと欧州、12日から30日の対ロ停戦で合意

ワールド

グリーンランドと自由連合協定、米政権が検討

ワールド

パキスタン、国防相が核管理会議の招集否定 インドに
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 3
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 4
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 7
    指に痛みが...皮膚を破って「異物」が出てきた様子を…
  • 8
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 9
    「股間に顔」BLACKPINKリサ、ノーパンツルックで妖艶…
  • 10
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 6
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 7
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 8
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 9
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 10
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 8
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中