最新記事
ツイッター

ツイッターの青バッジはフェイクのしるし? コメントを求めたが、広報は「うんこ」絵文字で応答するのみ

VERIFIED MISINFORMATION

2023年4月26日(水)13時10分
ジャック・ブリュースター(ニューズガード エンタープライズエディター)、ザック・フィッシュマン(同シニアアナリスト)、マクリーナ・ワン(同アナリスト)、バレリー・パビロニス(同アナリスト)

マスク自身がフェイクに加担

これに対してマスクは「彼はパススルー組織(エコヘルス)経由で資金提供を行っていた」と返答。武漢ウイルス研究所でのコウモリ研究のため、アメリカ政府から助成金を受けていた非営利組織エコヘルス・アライアンスに言及した(ファウチがエコヘルスを通じて「新型コロナの開発に資金提供」を行っていたことを示す証拠はない)。

偽情報を拡散する人々が、誤った主張を展開するときにマスクの発言を引用することなども多い。ウェブサイトの「ノーモア・フェイクニュース」を運営する自称「調査報道ジャーナリスト」のジョン・ラパポートは、マスクが昨年10月30日に投稿したツイート(後に削除)を引用した。

このツイートは昨秋にペロシの夫ポールが襲撃された事件に関するもの。マスクはこのツイートで、襲撃犯はゲイの男娼でポールと恋愛関係にあったという根拠のない事実を示唆する記事のリンクを紹介していた。

ラパポートは昨年11月2日のツイートで、「ペロシ襲撃事件に関するマスクのツイートは、リアリティーをめぐる戦争に全く新しい前線を切り開くものだ」とコメント。「世界一の大富豪が公式の説明に、しかも極めて刺激的なやり方で疑問を呈した。権力の中枢にパニックが起きているのでは?」と書いていた。

マスクが買収した後のツイッターにも、偽情報への対策がないわけではない。その1つが「コミュニティノート」。ツイートに添えられるメモのようなものだ。

例えば極右コメンテーターのピーターズによる3月7日のツイートには、公開絞首刑の画像に「ドイツ国民を誤った方向に導いた報道関係者や医師、看護師がニュルンベルクで絞首刑に処された際の写真」という誤った説明が添えられている。そこにはコミュニティノートとして、「(このツイートを)閲覧したユーザーが、他のユーザーにとって役立つと思う情報を追加しました」というメモと共に、この写真がニュルンベルクのものでないという説明が添えられていた。

しかしニューズガードが分析した偽情報入りの176件の投稿のうち、ツイッター側がコミュニティノートで但し書きを追加したものは1件もない。3月27日時点でコミュニティノートが添付されたツイートは、わずか4件だった。

マスクは一連の変更について、質の高い情報のスペースをつくるためだと説明。3月6日には「新しいツイッターは真実の源だ」とツイートした。それでも私たちの調査結果は、マスクの率いるツイッターが、多大な影響力を持つ偽情報発信者の暴走があり得るスペースになったことを示している。

ニューズウィーク日本版 脳寿命を延ばす20の習慣
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月28日号(10月21日発売)は「脳寿命を延ばす20の習慣」特集。高齢者医療専門家・和田秀樹医師が説く、脳の健康を保ち認知症を予防する日々の行動と心がけ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米関税、英成長を圧迫 インフレも下押し=英中銀ディ

ビジネス

米9月中古住宅販売、1.5%増の406万戸 7カ月

ビジネス

ユーロ圏消費者信頼感指数、10月はマイナス14.2

ワールド

米、イスラエルによるヨルダン川西岸併合容認せず、副
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺している動物は?
  • 3
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 4
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 7
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 8
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 9
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 10
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 10
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中