NY外為市場=ドル上昇、方向感欠く取引 来週の日銀決定会合に注目
ドル、ユーロ、ポンドの紙幣。2017年4月28日撮影。REUTERS/Dado Ruvic
[ニューヨーク 12日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、方向感のない取引の中、ドルが円などの主要通貨に対し上昇した。来年の米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測を背景にドルはここ数日下落基調にあり、週間ベースでは3週連続で下落した。
BNY(ニューヨーク)の市場マクロ戦略責任者、ボブ・サベージ氏は、FRBが今週開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利下げを決定したことが一部要因になり、ドルは今週下落したと指摘。この日の取引については「金曜日の取引特有の疲れが見られている」と述べた。
ドル/円は0.2%高の155.93円。日銀は18─19日に開く金融政策決定会合で利上げに動くとの観測が高まっており、市場では来年の金利に道筋を巡る政策当局者の発言が注目されている。
英ポンド/ドルは0.2%安の1.3375ドル。 英国立統計局(ONS)が12日発表した8─10月の国内総生産(GDP)は前期比0.1%減少。ロイターがまとめた市場予想は横ばいだった。イングランド銀行(英中央銀行、BOE)が18日に開く金融政策委員会(MPC)では、0.25%ポイントの利下げが決定されると予想されている。
ユーロ/ドル はほぼ横ばいの1.1735ドル。前日は約2カ月ぶりの高値を付けていた。
主要6通貨に対するドル指数は0.1%高の98.44。年初からの下落率は9%を超えており、年間の下落率は2017年以来最大になる可能性がある。
BMOのチーフエコノミスト、ダグラス・ポーター氏は、FRBは追加的に合計0.75%ポイントの利下げを実施すると見込んでいるとし、ドル指数は来年は2─3%下落するとの見方を示した。
FRBの今週の会合での決定は9対3。FOMC後の記者会見でのパウエルFRB議長の発言のほか、FOMC声明は市場の予想ほどタカ派的ではなく、ドル売りの勢いを強める結果となった。BNYのサベージ氏は、決定が全会一致でなかったことで示されているようにFRBは分裂していると指摘。ただ「欧州中央銀行(ECB)やオーストラリア準備銀行(中央銀行)のようにFRBも利上げに転じる可能性があると言うのは公平ではない」と語った。
ドル/円 NY午後4時 155.87/155.89
始値 155.91
高値 156.12
安値 155.69
ユーロ/ドル NY午後4時 1.1738/1.1740
始値 1.1726
高値 1.1749
安値 1.1720
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