最新記事

医療

身体の中に病院を作る!? 血中でデータ通信する「ナノマシン」が現実に

2016年10月12日(水)06時15分
ライアン・マシュー・ピアソン (c) ReadWrite[日本版]編集部

ナノマシンが体内で活躍する日も近い? (c) ReadWrite[日本版]編集部

 80年代に長期的なヒットを飛ばしたRPG『Cyberpunk 2020』や、最近だと『Eclipse Phase』など(日本で有名なのはガンダムだろう)で使われていた大量のナノマシンをあなたは覚えているだろうか。

 かつてゲームやアニメの中で活躍していたナノマシンは、それらを通じてナノマシンの危険性や可能性を我々に間接的に伝える役目を果たしていたが、今ではすっかり取り上げられなくなり、まるで死語のような扱われ方をしている。

 しかし、最近また注目を集め始めている「ナノテクノロジー」によって、目に見えない極小サイズのワイヤレスマシンが現実のものになったらどうだろう。SFの世界でしか起こりえなかったことが、現実に起こるかもしれないとしたら? あのナノマシンが互いにコミュニケーションを取りあうことができたら、どんな使い方が考えられるだろうか。

 先日、まさにこの研究に取り組んでいる科学者たちがいることが明らかになった。彼らが研究しているのは、人のDNAの100倍ちょっとの大きさで、血液の流れに乗ってデータを運ぶことができるナノサイズのデバイスである。

 ナノテクノロジーは、世界的に超高齢化社会を迎えつつある現在、医療への応用に大きな期待を寄せられている。この技術を活用することで診断から治療まで、医者は患者の体のいたるところをリアルタイムで解析できるようになる。現在の検査は放射線など体に有害となりうるものを使用しなければならないが、これが人体に無害で賢い「ナノデバイス」に取って代われる日が来るかもしれないのだ。

 ちなみに日本だと、東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻教授の片岡一則(かたおか・かずのり)氏が、ナノテクノロジーを基軸とした医薬工分野の融合、イノベーションの創出を目指している。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米GDP、1─3月期は予想下回る1.6%増 約2年

ワールド

米英欧など18カ国、ハマスに人質解放要求

ビジネス

米新規失業保険申請5000件減の20.7万件 予想

ビジネス

ECB、インフレ抑制以外の目標設定を 仏大統領 責
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中