過疎地域の子どもたちに「学ぶ楽しさを知る」体験を...AIと「働く大人の生声」で地域の未来に貢献するClassi
集中して問題を解く生徒たちの様子(夏期学習イベントの1コマ)
<人口減少に伴い、学力の地域格差が浮き彫りとなってきている。学力の低下は子どもの可能性を狭めるだけでなく、ひいてはその地域の将来性をも危うくしかねない。ベネッセグループの一つであるClassiは、こうした課題を解決すべく、地域と連携してAIを活用した学習支援の取り組みを展開している>
世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。
AIを活用した教育プラットフォームで「場所や環境に左右されない学び」を
Classi株式会社は、2014年にベネッセホールディングスとソフトバンク株式会社の合弁会社として誕生した。「子どもの無限の可能性を解き放ち、学びの形を進化させる」というミッションを掲げ、学校のICT化を多角的にサポートする教育プラットフォーム「Classi(クラッシー)」の提供を通して、学校における「個別最適な学び」と学校の「ICT化対応」に貢献している。
そんな同社が2023年度からスタートさせた取り組みが、過疎化が進む熊本県多良木町でのClassiを用いた夏期学習イベントだ。
Classiはコミュニケーションや探究学習、学習動画に日々の学習記録など、学校生活のさまざまな場面で活用できるオールインワンのプラットフォームだ。生徒の主体的な学びをサポートするだけでなく、先生の生徒指導もアシストする。イベントでは、Classiに搭載されているさまざまな機能のうち、AI判定で生徒の理解度に合わせておすすめ問題を出題する「学習トレーニング機能」を用いた学びを体験できる。
その効果について、PR統括を務める椎葉育美氏は次のように語る。
「生徒は自分のペースで学習を進められ、「解けた」という成功体験を積み重ねることで、『もっと学びたい』という気持ちのスイッチを入れることができます」
2024年度には、多種多様な8種類の仕事に従事する社会人の話が聞けるミニキャリア講演会も開催した。これには、職業の選択肢が少なくなりがちな地方の中高生に職業選択を考えるきっかけを作り、さらなる学びに向かうモチベーションアップを促す狙いがある。
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