最新記事
健康

野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「CT写真」で体内から見つかった「驚愕の塊」

Baseball-Sized Bladder Stone Found Inside Woman

2025年5月3日(土)13時27分
ジェス・トムソン

レーザーで結石を破砕し、1カ月後には症状は消失

さらに、カテーテルも結石の原因になるほか、尿路感染症(UTI)の頻発もストルバイト結石を引き起こすことがある。この女性は下半身が麻痺しているため、膀胱を完全にコントロールできず、排尿のため長期にわたって尿道にカテーテルを挿入していた。症例報告によれば、こうした状況と膀胱憩室は膀胱結石のリスク要因だ。

女性の尿からは、白血球や膿(うみ)、血液、亜硝酸塩が高濃度で検出され、尿路感染症の兆候が見られた。また、大腸菌とモルガネラ属の細菌も検出された。

コンピューター断層撮影(CT)検査の結果、結石は年輪のような層状になっていることがわかった。「一部の膀胱結石は、年輪のような層を形成する。ミネラルの沈着と尿の組成が、時間とともに変化するためだ」と、症例報告には書かれている。

この症例では、まずは抗生物質で尿路感染症を治療し、その後レーザーで結石を破砕した。レーザーで砕いた破片は、尿とともに自然に排出されることもあるが、治療中に特殊な器具で除去する場合もある。「1カ月後の経過観察では、症状は消失していた」と、症例報告には書かれている。
(翻訳:ガリレオ)

【参考文献】
Li, Z., & Li, Z. (2025). Bladder Stone. New England Journal of Medicine, 392(2). https://doi.org/10.1056/nejmicm2411456

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国大型連休の国内旅行支出8%増、1人当たりはコロ

ビジネス

衣料通販ザランド、第1四半期売上高が予想上回る 通

ワールド

ロシア、原油安でウクライナ紛争解決へ意欲的に トラ

ビジネス

三井住友銀行、印イエス銀行の株式取得へ協議=現地紙
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗と思え...できる管理職は何と言われる?
  • 3
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どちらが高い地位」?...比較動画が話題に
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    背を向け逃げる男性をホッキョクグマが猛追...北極圏…
  • 8
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 4
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 5
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 6
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 7
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 6
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中